ある光と影の話をしよう
一人の少年には明るい光があった
日を追うごとに光は強くなり
明るくなるかと思えば
逆に暗い光と変化した
最後には明るい光が暗い光となり
明るさを奪った
ある一人の少年は影だった
分散した暗い光を集めて
影は自己を取り戻そうとした
しかし
影は光無しでは生きられない
光は影なんていらなかった
影が無くとも生きられたから
影にお前はいらないと告げた
影は消失した
光がないと生きれなかった
やがて影は新しい光を見つけた
純粋無垢な光だった
暗い光は純粋無垢な光を前にして
勝てなかった
そして暗い光は
元の明るさを取り戻し
暗い影はしずかに笑うのだった
(ある光と影の話をしよう)
20130511