対等でいられる条件 | ナノ





※会話のみ




「青峰、ホットココアだ」
「お、さんきゅ。砂糖多めにしてくれた?」
「ああ」
「お前は何飲んでんの?」
「コーヒー」
「…ブラック?」
「ブラック」
「うまいの?」
「僕にとってはとても美味しいよ」
「ふーん…、オレにも一口くれよ」
「お前の舌には合わないと思うが、」
「わぁーってるって」
「…」
「……う、え」
「そらみろ、返せ」
「ちょっと飲んだだけなのにうえー。……ん、」
「おい。…ちょ…っ、…」
「あー…やっぱ口の中も苦ェ…」
「……当たり前だ」
「そんな口擦んなよ、地味に傷つくんだけど」
「お前の口の中は甘苦い。変な感じだ、気持ちが悪い」
「………」
「冗談だ、自分から進んで唇は重ねたくないが」
「だからそれが傷つくんだけど…」
「離れろ、コーヒーが零れたらどうする」
「なあ、もっかいちゅーしよ」
「………いやだ」
「何その間」
「甘いのは好きじゃない」
「あっそ。じゃあオレがコーヒー飲めば文句ねえだろ」
「そういう問題じゃ」
「ちょっと思ったけどお前ってさ、いつもいい匂いしてるけどコーヒーの匂いも混じってんのかもな。このへんとか」
「やめろ、くすぐったい」
「こことか、」
「…っ、…」
「ここ、とかも」
「ぁ、っ」
「やらしーの。あー、ムラムラしてきた」
「もういい加減黙れ、それと本を返せ」
「やーだ」
「青峰、…!」
「大輝って言えよ」
「うるさい」
「コーヒー飲むからちゅーさせて」
「もう分かったから、そんなとこ触る、な…、ッ」
「ん」
「っん、ん、ぅ、…っぁ」
「は、っ…。いい声」
「やめ…、大輝…ゃ…、ぁ」
「腰揺れてる」
「ちが」
「男だから仕方ねーだろ。ほら、目閉じんな」
「ん、ん」
「イきそ?」
「ぅ、ん、…っ」
「じゃあオレの手使ってしてみろよ」
「…は、?」
「ほら」
「っ…、そんな、無理…だ」
「あとちょっとだろ?」
「ッ…ぅ」
「すげ…、エッロ。そんなにオレの手は気持ちイイ?」
「黙っ、れ…、くそ…、ぅ、ぁ」
「はは、今のお前を紫原とか黒子とかに見せたらおもしろそ。ぜってー見せないけど」
「ぁ、っ、ん…、―――ッ…!」
「ん」
「は、っは、…苦しい、おい、腕を緩めろ」
「やだ、今抱きしめてたい気分」
「…子供みたいだな」
「事実だろ。お前は例外だけど」
「僕?」
「コーヒー飲めて、口ン中苦いとか、大人みたい」
「お前の大人の定義は幼稚だな」
「…うっせえ」
「ふ、お前のその幼さが僕は苦手であるけれど気に入っている」
「え、それ褒めてねーだろ」
「褒めている」
「そりゃどーも」
「…………もうそろそろ、眠い」
「あー、今さっき抜いたしな」
「殴られたいか」
「…結構です」
「歯磨きするから退け」
「じゃあ歯磨きし終わったらちゅーしよ」
「そんな予約取らなくても僕は逃げないよ青峰」
「コーヒー飲んだ後の苦いちゅーもいいけど、歯磨きした後の方がオレは好きなの」



対等でいられる条件




20130503
やおい。