※鬼灯さんがナチュラルに♀
※モブ×鬼灯表現ありますので苦手な方注意!






























腰を掴まれたかと思えば、乱雑に男のモノで貫かれる。その衝撃と不快感にびくりと体を強張らせると、それは鬼灯の中で質量を増した。
無遠慮に体内を掻き回す感覚。その感覚を散らそうと頭を振れば、別な腕が痛いほどに乳房を揉みしだいてくる。こちらの都合などお構いなしの行為に、罵倒する言葉の一つ二つかけてやりたいが、それは叶わない。何か、布らしき物を深くくわえさせられているために、ろくな音を発せないのである。
油断していた、いや、連日の激務で疲れていたのだ。ろくな抵抗も出来ぬまま、暴漢に組み敷かれてしまった。
疲労を抜きにしても、そもそも女の腕力で男に勝てる道理などないのだが。
あちこちに付いた擦り傷や打撲が緩く自己主張している。その痛みが、置かれている状況を現実だと突き付けていた。
荒い息づかいに連動した水音が響く。時折敏感な箇所を擦り上げられて、その度に漏れそうになる嬌声を必死にこらした。それでも体は嫌になるほど正直で、その度にびくりと震え、愛液は股を伝った。
そんな己の状態に、自己嫌悪する余裕もない。愛情など感じられない手が、これでもかというほどに鬼灯をなぶった。
いっそ抗い難いほどの快楽を与えてくれたなら、楽になるのに、と鬼灯は歯噛みする。
無理に押さえつけられているせいで、苦痛は増すばかりである。
ああ、もう、どうにでもなれ
そう思った瞬間、体内で誰ともわからない人物の種が爆ぜるのを感じた。

***

山のように積み上がった書類を片付けながら、体の不快感を誤魔化すように伸びをする。ぴりぴりとした感覚に、思わず眉を潜めた。
仕事前に己の体をざっと確認した時には、青痣やらなにやらが無数に付いていたけれど、幸いなことに肌が露出する部分に関しては問題ないようで、鬼灯は安堵の息を溢した(尤も、幸いなどではなく、そこまで計算して痛め付けたのかもしれないが)。なんにせよ、傷さえ露出しなければ、周囲に鬼灯が置かれた状況を悟られない。
自分を取り繕うのは得意だし、誰にも気づかれない自信もある。だが、出勤してから気付いた誤算がひとつ。
男が、恐ろしいのである。
部下に声を掛けられた時に、おや、と違和感を持ったのだけれど、それは単にいきなり話しかけられた事に対する驚きだと結論付けた。
しかし、誰かと会う度に、いや、会うどころかすれ違うことにすら恐怖心が芽生えることを自覚し、すっかり頭を抱えてしまった。
(…弱りましたね)
執務室での作業は基本的に鬼灯一人であるから問題はないのだが、仕上げた仕事や判の確認に閻魔大王の元へ足を運ぶ時が難題である。
獄卒は圧倒的に男が多いのだ。閻魔殿で仕事をしている限り、接触は避けて通れない。
この言い様のない感情を、今日が終わるまでに一体どれほど感じなければならないのだろうか。思えば思うほど嫌気がさす。
鬼灯はがりがりと頭を掻いた。
ああ、それにしても、それにしても、である。
まさか自分が、あの程度のことで傷を作るなんて。
「…」
そこまで考えてげんなりした。寝ても覚めても相手のことばかり。これは全く不本意であるし、癪である。
そうこう思考している間にも、
(仕事は待ってくれないというのに)
眉間を指でぐっと押して、気合いを入れ直すつもりで腕捲りをすると、青痣が嫌味ったらしく視界に映る。
(なんです、この程度)
宣戦布告のようにその痣を睨み付けると、目の前の紙の山を消失させるべく頭を切り替えた。






20111222
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