SweetTime



今日は俗に言うホワイトデー。
雷門中サッカー部にもこれは例外なくやってくる。

バレンタインの時に円堂がチョコを渡した相手はヒロトだった。
チョコを渡している時の円堂の恥ずかしそうな笑顔。
それを見た瞬間に失神した部員は後を絶たなかったという。

そんなこんなでホワイトデーなら貰えるかもと部員達は訳の分からない考えを浮かべていた。

「なぁ、円堂」

豪炎寺が着替えている円堂に声をかける。

「ん?どうした豪炎寺?」

円堂は上半身は裸のまま豪炎寺の方に振り向いた。
立向居が「円堂さんのはだかぶぁ」と鼻血を吹き出しながら倒れる。
倒れた立向居を無視して鬼道が続けた。

「今日はホワイトデーだろう?」

円堂は一瞬キョトンとした顔をしたが気付いた途端に笑顔に戻った。

「…あぁ!そう言えばそうだな!」

ニコニコと可愛らしい笑顔を浮かべている円堂に風丸が本題である言葉を言う。

「で、誰かにチョコは渡すのか?」

部員が一斉に円堂へと視線を移す。
期待に包まれた空気の中、円堂が答えた。


「え?…渡す予定は無いなぁ…」


部員が泣き叫びながら部室を出て行ったのは言うまでもない。


「何だったんだろう…?」

彼らの気持ちを知るよしもない円堂は、部室に一人でいた。
「俺何か変なこと言ったのかなぁ」とぼやいていると、ドアが静かに開く。

「あっ!ヒロト!」

そこには円堂がチョコを渡したヒロトが立っていた。
円堂は嬉しそうにピョコピョコと傍らに行く。

「どうしたんだ?今日は随分と遅かったな」
「いや、ちょっと色々あって…」

ヒロトは少し疲れたように苦笑した。
彼はついさっきまでクラスの女子からのチョコ責めにあっていたのだ。
それらを全て断るのに、思ったよりも時間がかかってしまっていた。
ヒロトはふと部室を眺め、円堂に問いかける。

「ねぇ、円堂君。他の皆は?」

「あぁ、皆ならさっき泣きながらどっか行っちゃった」

「…え?泣きながら?…何で?」

「さぁ…俺もさっぱり」

円堂は不思議そうな顔をして考え込んだ。
ヒロトはハッとあることに気付く。


−今日はホワイトデーだ。


それに気付いたヒロトは全てを悟った。

「(あーあ、可哀想に…)」

今頃どこかで大泣きしているであろう仲間達に心の中で同情する。
そして同時にヒロトはあることを思いついた。

「円堂君」

考えるのを諦めた様子の円堂に呼びかける。

「んー?何だ?」

笑いながらヒロトの方を向く。


「キス、してもいい?」


少し間を空けて円堂の顔が赤くなる。
「なっななな何っ言って…!?」と言いながら慌てふためく彼を見てクスッと笑う。

「今日はホワイトデーでしょ?」

「う…うん」

顔を赤く染めたまま円堂は頷く。

「バレンタインのお返し。…いい?」

理由を言えば円堂は少し困ったような顔をした。
ヒロトはニコニコと優しい笑顔を浮かべた。
しばらくして円堂がか細い声で「うん…」と肯定の言葉を言う。

「ありがとう。守」

彼の柔らかい頬に手を添えてゆっくりと顔を近づける。
円堂は恥ずかしさで目を強く瞑っていた。
唇が重なる直前に、ヒロトは小声で囁くように精一杯の愛を伝えた。



 大好きだよ
「君の目も、声も、全てが愛しいんだ」

-----------------
ETERNALのクルネさんより頂きました!
いやったああああああ!!
私がヒロトほしいよおおおって駄々こねてたらなんとこんな素敵なヒロ円小説頂いてしまいましたやったああああ!!
言ってみるもんですねほんと・・!嬉しすぎて泣ける
クルネさん優しすぎて最初「!???」ってなりました
そうか・・これがKIZUNA・・・
ぐっときたーーーーー!!ってかんじですほんと
しかもかわいいしまもまもかわいいしヒロトいけめんだしかわいいしもえるしほんと最高な小説ありがとうございました!!!!
(感想が書きたかったのでクルネさんのサイトにアップされている小説をこぴぺしました。原文はこちら


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -