Stand by...

03



「ッてめ…っ! やめ、外せよっ! 血なら後でくれてやるからっ…! い、今は、ちょっとだけ、ほ、ホントに…ッ!」

 珍しく懇願するクロウに、ワイズは眉を動かした。
 どうしたと言うのだろう。不思議に思うと同時に、むらむらと苛虐心が湧いた。

「上下の関係を忘れてしまったようだな、クロウ?」
「なっ?」
「君は私の餌であり従属させられた奴隷なんだよ。私に『くれてやる』などと言える立場ではない」
「て、てめぇ…ッゃ、やめっ、」

 クロウの上に覆い被さり、首筋に唇を寄せる。
 それだけで、面白いくらいにクロウの躯が固くなるのが判った。
 笑みを噛み殺しながら、ねっとりと舐め上げる。

 びくびくびくッ
「ひぁっ…あぁ…!」

 すべらかな皮膚に舌を這わせ、唇で吸いつき、牙でもって甘く噛む。
 今度ははっきりと顔を赤らめたクロウが躯を震わせ、か細い声で啼いた。その透明な青い目にはうっすらと涙が浮かぶ。

 ふと見ると、クロウの脚が擦り合わされていた。
 ワイズはにやりと笑ってクロウの衣服を脱がせにかかった。

「やッ! やめろ、やめろ変態ッ…! っち、血だけだろ?!」
「君がいやらしくもぞもぞしているからだ。楽にしてやろう」
「ちッ、ちがっ! これ、は、ぁあっ!」

 ふるふると首を振って否定しようとするクロウの首筋に、再び口付ける。

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