Are you NOAH?

09


 足音がする。


「あぁ、良かった」


 季は動きもしなかったが、走ってきたらしい男の足許だけが視界に入る。白衣の裾がひらめいた。

「逃げたと思ったら、食事してたのか。良かったけど、困るなぁ。中の奴らの処理をしてくれよ」

 男の言葉に呼応するように、わずかに液体が蠢いた。男は苦笑する。

「たまには元気なのも食いたくなるって気持ちも判るけどなぁ。なんだよ、気に入ったの、こいつ?」

 液体が季の乳首をこねる。

「ぁぅんっ…」
「判った判った。どうせベッドは大量に空いてんだ、おやつがひとりくらい居たっていいだろ」

 男の脚が近付いて、季の身体が抱き上げられる。
 剥き出しの性器が男の白衣に擦れて、熱い吐息が漏れた。


「帰るよ」


 男が声を掛けると、液体はずるる、と男の後についていった。



end.

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