ドミネイトユー

02


 勇者は下半身の衣服を脱ぎ、下着も脱いで既に臨戦態勢の肉棒を晒した。

 見たくもないのに、魔王はそのビキビキと筋立った男性器から目を離せなくなる。

 あれだ。あれをしゃぶるのが。
 だが同時に、そんなことしたくもない。

 困惑する魔王の表情を愉しみつつ、床に膝つく魔王によく見えるようにしゃがんで股を開き、ぶるんぶるんとずる剥けの凶器を振るって見せた。

「魔王サマ、このちんぽがしゃぶりたいんだろ? ほら来いよ」

 男性器を餌にされるなど屈辱の極みでしかない。それでも魔王は重い躯を引きずり勇者の元へと向かう。
 向かわざるを得ない。魔族のために。

 顔を寄せると蒸れた雄の匂いがして、魔王は当然眉を顰める。

「ここ最後の村から遠いからさ。2日野宿したちんぽだけどまあちゃんと毎日躯拭いてはいるし? 魔王サマは汚ぇちんぽだろうと関係ねぇよな」
「ッく…!」

 ギリと奥歯を鳴らす。穢らわしい人間の男性器など、本来なら視界に入れただけで消し飛ばしてやるのに。
 男性器を舐めるなど、したこともないのに。

 なのに魔王は蹲る姿勢のまま、ぽゎ、と淡く光る刻印の刻まれた震える赤い舌を伸ばし、ちろ、と舐めた。

「ああ…!」

 勇者は堪らなく昂奮して、大量の先走りが先端の孔から溢れた。

「ん゙、ぅ…」

 嫌悪感が更にせり上がるが、魔王はその男性器から舌を離すことができない。嫌だ。吐き気がする。けれどこれは必要なのだ。


 ちろ…、ちろ…、ちろ、ちろ、


 懸命に舌を伸ばして膨らんだ亀頭を舐め、しょっぱいような生臭いような味にも耐えて、魔王は勇者の男性器を愛撫する。

「あースゲ…魔王が俺のちんぽ舐めてる…。イイ…」

 勇者は魔王の灰色の髪を撫でつつそのつたなささえ堪能した。

 もちろん魔王はその手を振り払おうとするが、目的を達成するためには勇者の股間に顔をうずめる形になる。屈辱的ではあったが逃れることはできなかった。

 はむ、と亀頭を咥える。
 更に吐き気が込み上げる。なのにれろれろれろッと鈴口を舌先で擽る動きが止められない。

「あ、それイイ…魔王サマ、じょーず…」
「ん゛む゛…」

 けれど、口内が勇者の先走りで満ちると魔王は口を離し、絨毯へと勢いよく吐き棄てた。

 聖なる紋章の効果は『しゃぶる』まで。献身的に飲み干してくれるわけではない。

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