魅惑の魔法

09






 何度それを繰り返しただろう。

 数も分からないくらいの絶頂と共に、カミルは遂に意識を手放した。
 突然糸が切れたように力を失ったカミルに驚いてベルンハルトがようやく手を放すと、


 とろ…


 真っ赤に腫れ上がった花芯からだとは思えないほど、勢いのない白く粘る液体が溢れ出して彼の下腹を汚していく。


 とろ…とろ…とろ…


 堰き止められていた分を吐き出すようにいつまでも力なく漏れ続けるその様子に、「…っ!」堪らずベルンハルトは意識のないカミルの躯に激しく腰を打ち付け、最も奥まで精を注ぎ込んだ。







 あの涙に潤んだ左右色の違う瞳の、なんと蠱惑的なことだろう。
 無知な妻は早く処分すべきだなどど言うが、そんなことはできはしない。
 しかし、息子達にはこの地下室へ近寄らぬよう改めてきつく言いつけておく必要があるだろう。
 それほどまでに、魔女の誘惑は強力であり、抗えなかった。

「…この美しい魔女が、私の精だけで満足してくれていたら良いのだが…」


end.

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