Start A Family

08



「いいよ、フェイ。ひとつずつ…ゆっくり産んで…?」

 腹部を強めの力で上下にさすられる。排泄のようにして、フェイは異物を出そうと必死にいきんだ。

 長い時間をかけて、フェイは『産んだ』。
 それは、拳よりもふた周りほど小さい、卵だった。

「っはぁ…っ、はぁ…っ」
「ほら、産めた。ありがとう、フェイ…。これからふたりで、育てていこうね…」

 愕然と、そして茫然とぬらぬら光る卵を見つめるフェイを、ガランが抱き締める。
 ぴしり、と卵にヒビが入って、次々と小さなものが顔を出して、ぎょっとフェイは躯を強張らせた。

「あッ…や…ッ」
「大丈夫だよ。僕らの子供だ…ほらフェイ、もういいよ。たっぷり子供たちにミルクをあげて?」

 ガランの言葉と共に、フェイの性器を締め付けていた蔦が切れた。

「んひゃぁぅ…ッ!」

 途端、びゅッ、びゅッ、と断続的に、卵に向けてフェイは吐精してしまう。
 しかも。

「やッ! あぁッ! な、やぁ…っ、止まらな…っ! あっ、あぁあッ!」

 フェイの精を浴びた小さなものたちは互いに舐め合い、その『ミルク』を貪った。
 はしたなく股を開いて吐精し続けるフェイに、ガランが背後からキスをする。

「赤ちゃんの内はいっぱいミルクあげなきゃいけないから、出なくなったらまた蜜を入れてあげるね?」
「あッ、あぁッ、ゃ、やだぁあ…っ!」

 フェイが喚いても、性器から飛ぶ精は弱まらない。



「愛してるよ、ママ」



 森の奥に、ひとつの家族が誕生した。



end.

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