青木と後藤 小話集

ひめはじめ


 お正月のふたり。微微微微エロ。
 痴漢、のち、青姦……でも寸止めw



 分かってはいたけど、後藤はイベントが大好きだ。
 特に、恋人なら一緒に過ごすだろうって言う、イベントが。
 そんな彼女ならかわいいのだが、あいにく奴は男だし、それより生徒だし、なにより俺達は付き合っているわけでもなく、強姦された上に脅迫されている関係。
 会おうと言われて、素直に喜べるはずもなく。
 眠い目を擦って、初詣の人混みにうんざりする。対照的に、後藤ははぐれないように俺の腕にしがみついて、嬉しそうだ。
 全く、こんな三十路前の男の、なにがいいんだか。
 俺は呆れながら前を向いて、進まない人混みに息を吐き、そして驚いて止めた。身動き取れない大勢の中、突然性器を揉まれたのだ。

「っ、ご、と…、こら…っ」
「どしたの? 先生」

 けろりと後藤が笑う。
 その間にも俺の性器は後藤の手に揉み込まれ、集中的にタマを転がされて溢れ出す快感に、泣きそうになる。

「…っは、ぁ、ごと…っ」

 やめろと首を振っても、当然のようにやめてはくれず。
 歩き出しても、放してもくれず。
 結局賽銭を放った帰り際。
 ぐいと腕を引かれて、神社の裏手へと連れ出された。ひとの喧騒は、それほど遠くはない。明かりは遠いところにひとつ。でも、俺からそこが見えるのだ。きっと向こうからも俺達の姿は見えるだろう。
 なのに。
 後藤は容赦なく俺のシャツをめくり、既にツンと勃った乳首に吸い付いた。

「っあ」

 ひくん、と性器が跳ねる。
 すると後藤は、外だと言うのに俺のパンツを下着ごと脱がせて下半身を晒し、神社の塀に俺の身体を反転させて、いきなり、ちゅうっとア●ルにキスをした。

「ひゃッ、あ…! ば、ばか、やだ、やめ…ァ、ゃ、だめ…ッ」

 ぺちゃぺちゃと音がする度、耳が熱くなる。
 にゅく、と舌の先がナカを嬲って拡げて、俺はあまりの──気持ち良さに、震える。
 どうしよう、こんな、ところで。
 誰が来るかも、分からないのに。
 考えれば考えるほど、俺の躯は熱く火照って。
 蕩けて働かなくなる頭をフル回転させて、俺はズルい台詞を吐いた。

「は…早く、終ら、せ…」

 お願い、早く。
 挿れ、て。

 けれどやはり、後藤の方が、うわ手だった。
 ぴたりと動きを止めると、いきなり服を整え始める。

「!? ごとっ…?」
「いやほら、姫初めだからさ。ちゃんとした場所で可愛がってあげるべきでしょ? おうちのベッドで、抱いてあげるよ」

 そんな、今更。
 絶望しそうだったけど、今ここで挿れて欲しいなんて、言えない。
 後藤はにっこり優しげに笑った。

「今年もたっぷり可愛がってあげるね」


end.

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