僕の彼氏は××××

03



「ッも、も、もぅっ、な、なに言ってるんですか先輩っ」

 耳許で低い声で囁かれて、完全にソッチのことしか考えられなくなりそうだった僕は、慌てて柳本先輩の肩を押して笑った。ごまかせ。笑え。とにかく、こんな話題は流してしまえ!

「そんなことないですよっ」
「へぇ? ガード硬くないってこと?」
「そ、そぉですよっ、僕、そんな、」

 「じゃあ、」す、と柳本先輩の唇が目の前に迫って、僕は完全に硬直してしまった。

「僕がしてもいい?」
「えっ、ちょっ…っや…っ」

 会長! 心の中で助けを求めたとき、どこの少女漫画なんだっていうタイミングで、ドアが開いた。
 当然、そこに立っているのは水城先輩で。

 会長はつかつか歩み寄って来ると、僕の躯を柳本先輩から引き剥がすみたいにして抱き寄せた。僕は嬉しいやら戸惑うやらでなにがなんだか判らない。
 柳本先輩は何故かにこりと笑うと、身を翻して生徒会室から出て行ってしまった。

「小牧」
「ぁ、は、はい…んむ」

 顔を上げると、ちょっと乱暴にキスされて、くちゅくちゅ音を立てながら口の中を会長の舌に掻き回されて、僕は思わず会長のシャツを握った。

「ん、っは…ぁ、」
「小牧は、誰でもいいの?」
「え…?」


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