僕の彼氏は××××

02



「あ、小牧くんだけ? 丁度いいや」

 柳本先輩はソファに陣取って、それからまじまじと僕の顔を見た。

「小牧くんってガード硬いの?」
「え?」
「キスしかさせてくれないって、水城言ってたから」
「ッ!」

 ぼん、と音がしたのではないかと思うくらい、僕の顔は一気に真っ赤になった。な、な、な、なにを急に!
 口をぱくぱくさせる僕に、柳本先輩は意地悪く口の端を上げる。

「水城、だいぶ我慢してるみたいだけど?」
「ッ?!」

 会長が、我慢?
 だ、だって、大丈夫だよって。待つよって、言ってくれたのに。

 ――そう。僕は、男同士での付き合いっていうのが、セックスまで含まれるなんて、知らなかったのだ。

 だから最初そんな雰囲気になったとき、真っ青になって拒絶してしまって。
 そんな僕に、会長は謝ってくれて、待つと言ってくれたのだ。
 なのに。やっぱり我慢、させてたなんて。

 俯いた僕の顎に、いつの間にか近寄ってきていた柳本先輩の手が触れる。びくりと僕の肩が跳ねた。

「大丈夫、恐くなんかないよ。言えばいい、ただ、優しくしてって」


- 241 -
[*前] | [次#]

『学校関連』目次へ / 品書へ


 
 
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -