僕の彼氏は×××× 02 「あ、小牧くんだけ? 丁度いいや」 柳本先輩はソファに陣取って、それからまじまじと僕の顔を見た。 「小牧くんってガード硬いの?」 「え?」 「キスしかさせてくれないって、水城言ってたから」 「ッ!」 ぼん、と音がしたのではないかと思うくらい、僕の顔は一気に真っ赤になった。な、な、な、なにを急に! 口をぱくぱくさせる僕に、柳本先輩は意地悪く口の端を上げる。 「水城、だいぶ我慢してるみたいだけど?」 「ッ?!」 会長が、我慢? だ、だって、大丈夫だよって。待つよって、言ってくれたのに。 ――そう。僕は、男同士での付き合いっていうのが、セックスまで含まれるなんて、知らなかったのだ。 だから最初そんな雰囲気になったとき、真っ青になって拒絶してしまって。 そんな僕に、会長は謝ってくれて、待つと言ってくれたのだ。 なのに。やっぱり我慢、させてたなんて。 俯いた僕の顎に、いつの間にか近寄ってきていた柳本先輩の手が触れる。びくりと僕の肩が跳ねた。 「大丈夫、恐くなんかないよ。言えばいい、ただ、優しくしてって」 [*前] | [次#] 『学校関連』目次へ / 品書へ |