崩落

09


 ぱちん、と音がして、突然締め付けがなくなった依咲の性器が、より強く上を向く。
 それを見て健汰がはしゃいだ。

「あはっ、先生、気持ちイイんだねっ」

 良かった、と言って健汰は更に腰を早めた。
 勃ち上がった依咲の性器が、毛のない健汰の下腹に押し付けられる格好になる。ふたりの腹の間でもみくちゃになって、依咲の思考は完全に停止した。

「んぁッ、あ、ひぃんっ、あ、ぁんっ健汰っ、健汰っ、んっ、んんぅ──ッ!」
「ッくぅ、出すよ、せんせっ──!」

 絶頂を迎えた瞬間、幼い性器が更に怒張して、それから体内に何か熱いものが放たれるのが判った。
 内腿が痙攣のように震えた。

 胸の上では、健汰が張り付いて荒い息を整えている。起き上がると、健汰の腹には依咲の白濁が飛び散っていた。
 いたたまれなくなって、依咲はそれから目を逸らす。

 健汰が笑った。

「あは、出しちゃった…ね、先生。ボクの子供、出来る?」
「…」

 わざとらしい質問に、回答する気力も湧かない。
 茫然とする依咲に、健汰は静かにキスをした。

「出来るまで毎日えっちしよっか?」

 イイって先生にまだ言ってもらってないしね、と続ける健汰に、依咲はやはり応じない。

 ただ、今度こそは真剣に転勤を検討しようと、ようやく鈍く動き始めた頭で考え始めたのだった。



end.

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