崩落

07



「ウソツキ」

 案の定、健汰は微笑んで糊を放り出し、自らの性器を取り出した。それから腹から降りると、依咲の膝を折りたたむようにして抱え込んだ。
 ヒクつく秘孔に、硬いものが当たる。

「ひぅ…!」

 押さえ込まれてしまうと、脚をばたつかせようにもうまく力が入らない。


 ずぷ、と犯される音が聞こえた気がした。


「んぁ、あぁっ…!」

 冷たい糊のチューブとは違うもの。
 躯に痺れが走ったようになって、依咲は再び喉を反らせた。

 覆い被さるようにした健汰の顔が目の前にあって、依咲はパニック寸前になる。以前は背後からの行為だったために、顔をお互いに見るなんてことはなかった。

「先生、今気持ちイイ? すごいえっちぃカオしてる…」
「やっあっあっ…! やめ、お願っ…健汰ぁ…ッ!」

 背中に冷たい床の感触。幼い健汰の顔。その向こうの、いくつか並んだ蛍光灯。教室。
 何度もそんなことが思い返されて、依咲はどうにかなってしまいそうだった。

 何をしている、早く止めて、やめさせないといけない。

 必死に思う頭とは裏腹に、健汰の性器の熱さを追ってしまう。突かれる度に揺れる、縛られた性器がもどかしい。
 確実に躯を快楽が蝕む。

「あ、そうだ先生っ…」

 腰を打ちつけ息を弾ませながら、健汰が言った。

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