崩落

03


 身の危険を感じて立ち上がろうとした途端に健汰に抱き付かれて、バランスを崩して逆に座り込む羽目になる。慣れている。思って、依咲は泣きたくなった。

「兄ちゃんに色々手伝ってもらって、練習したんだよ」

 そのまま腹の上に乗りかかり、依咲に背を向けてバックルを外し始める。
 かちゃかちゃと言う音に焦って脚をばたつかせるが、あっさりと健汰はファスナーを下げ、下着ごとスラックスをずり下ろした。

「〜ッ!」

 性器が外気に触れて、ぞくりとした。

 また、あんなことになってしまう。
 それだけは、なんとしても、避けたかった。

「や、やめて健汰っ…こんな、こんなこと…ッ」

 情けないが、声が震えた。秘孔が痛みと『何か』を思い出して、鈍く疼く気がする。

「こ、こういうことは、お互いにいいよって言わないと、」
「大丈夫、イイよってちゃんとヨガらせてあげる」
「よがっ…ッぁ、はゥ…ッ」

 教師ぶっても無駄どころか、絶句する間も与えず、性器の皮がムかれる。柔らかい先端を、細い指先が揉みしだく。
 ぴりぴりと躯に電気が走ったようになって、喉が反った。

「はっ、ぃや…ッ、だめだよ健汰っ…やめ、ぁ、ぁ、お願い…っ」
「でも先生のおちんちん、ボッキしてきたよ? せーえき出したくないの?」
「ッだ、したく、ない、よ…!」

(生徒にイかされるなんて…!)

 夢中で頭を振ると、何故か健汰は嬉しそうに笑った。

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