瓦解

08


 グリ、と当てられる、カタいもの。その、人体とは思えない温度。

「えッ?! なっ、なに?!」

 振り向いて見ても、健汰の手元は見えない。


「なんでしょー?」

 ずぶり。


 小さないくつもの突起が、ゴリゴリとナカを擦り上げる。

「っあ゛ぁあッ!」

 冷たくも熱くもない物質。動かされると突起が容赦なく無尽に刺激する。

「ぁぐっ…なに、嫌ッ…やめ、やめ…っ」
「正解は縄跳の持ち手だよー。つぶつぶが気持ちいいかなって」

 言われて、脳裏にフォルムが浮ぶ。
 白いプラスチック。細かな突起は、滑り止めだ。

 あんな、ものが。

「いやっ、いやぁあッ…!」
 ずちゅっ、ズチュッ、グチュッ、

 涙が溢れて、しかし腰はどうしようもなく震える。

「ゃだ…ッ健汰、健汰、これ、やだ…ッ!」

 どっちが子供だか判らない言葉を喚き散らして、依咲は必死でかぶりを振る。

 ピストンを止めて、ペットの頭でも撫でるように、健汰が尻を撫でる。

「こーゆぅの、嫌?」

 その問いにがくがくと肯くと、健汰はいきなり持ち手を引き抜いた。そこには傷つくとか、裂けるとか、そういう概念は一切ないように思える。

「ぅあんッ!」
「じゃあ先生が欲しがってるの、あげるね」

 きつ過ぎた刺激の余韻にヒクつく孔に、温かなモノが当てられる。

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