イラスト オマケSS *** 「クロウ」 笑顔で「動くな」と言われて、そっと頬にキスされた。それからワイズはリップノイズを立ててこめかみ、耳許へと唇を移動させ、最後に包帯を巻いた首に唇を当てた。 「んっ…」 包帯越しですらぞくんと躯に甘い痺れが走って、クロウは情けなくなる。 食事の時間でもない癖に──現に、ワイズに血を吸う気がないのは、包帯からも判る──、ワイズはクロウに触れたがる。 そして、名を呼びたがる。 「クロウ」 「…やめろよ。俺、こんな、ぁ、」 「うん?」 クロウの反論の途中で、ワイズの長い指が包帯の隙間に潜り込み、肌を撫でる。たったそれだけでか細い声を上げてしまったことが恥ずかしくて、クロウは唇を噛んだ。 ワイズは確実に、クロウの反応を面白がっている。 「こんな、なんだ?」 「っ、ぅ、やめ、ゥん…っ」 『動くな』という命令で、クロウの身体はワイズを押し返すこともできない。 「もっと声を出していいんだぞ? クロウ」 「っるせ…ッふ、」 ワイズの悪戯は続く。 [*前] | [次#] /55 『頂き物』へ / >>TOP |