イラスト

オマケSS




***
「クロウ」

 笑顔で「動くな」と言われて、そっと頬にキスされた。それからワイズはリップノイズを立ててこめかみ、耳許へと唇を移動させ、最後に包帯を巻いた首に唇を当てた。

「んっ…」

 包帯越しですらぞくんと躯に甘い痺れが走って、クロウは情けなくなる。
 食事の時間でもない癖に──現に、ワイズに血を吸う気がないのは、包帯からも判る──、ワイズはクロウに触れたがる。
 そして、名を呼びたがる。

「クロウ」
「…やめろよ。俺、こんな、ぁ、」
「うん?」

 クロウの反論の途中で、ワイズの長い指が包帯の隙間に潜り込み、肌を撫でる。たったそれだけでか細い声を上げてしまったことが恥ずかしくて、クロウは唇を噛んだ。
 ワイズは確実に、クロウの反応を面白がっている。

「こんな、なんだ?」
「っ、ぅ、やめ、ゥん…っ」

 『動くな』という命令で、クロウの身体はワイズを押し返すこともできない。

「もっと声を出していいんだぞ? クロウ」
「っるせ…ッふ、」

 ワイズの悪戯は続く。

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