イラスト

オマケSS


 

***
 生意気そうなその眼を見れば、苛めてやりたいと思うのは、当然だと思う。
 いくら強がる口を利いたところで、より雄弁な耳と尾が彼の心を教えてくれるのであれば、尚のこと。

「なんだよ。なんか用か?」

 今は少し耳が伏せられて、ちょっぴり怯えているのが、よく判る。
 当然だ。彼の首には無骨な首輪。
 囚われ、自由を奪われ、躯を、心を、調教されている今ならば、男を見るだけでも恐いはずだ。
 だけど彼は、更なる恐怖を味わうことになるだろう。

 まだまだ、彼には自覚が足りない。
 自分が飼われている、誰かの所有物だという自覚が。

 一歩で距離を詰めて、皮製の首輪に指を引っ掛け引き寄せて、唇を重ねる。

「んんぅ?!」

 目を見開いて暴れる彼に構わず、流れる動作で首輪の内側の白い喉に、きつくきつく吸い付いて、タンクトップの内側に手を滑らせる。びくり、震える細い肩。
 唇を離せば、赤い鬱血痕。

 思い知るといい。
 所有物でありながら他者に躯を許した、出来損ないの奴隷に対する、主人の怒りを。

 激化する調教を思い、ほくそ笑む。

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