イラスト オマケSS *** 俺の彼女はBL作家。 言っておくがビューティフルラブじゃない、ボーイズラブだ。 まあいいんだ。彼女がなにを書いてようが。彼女自身はやや天然でとても可愛いから。 でも、これはない。 「お願い、彼とキスして欲しいの!」 担当だとか言う背の高いイケメンが、彼女の懇願にちらと俺を見る。断れ、断れ。ちなみに俺は彼女に負けて既に折れたあとだ。だから断れ。 「はぁ…」 担当は気の抜けた返答をすると、ふ、と口許を綻ばせて、いきなり俺の腰を掻き抱いた。 「まあ、先生の作品のためなら」 「?!」 そして奪われる、俺の唇。 「んんんぅ!」 当然、気持ち悪さに俺の目には涙が浮くが、しっかりと抱き込まれて逃げられない。彼女は嬉しそうに「写真撮るからそのままで!」とか言ってるし、もう頭ン中ぐちゃぐちゃ。 何度も角度を変えてキスされたかと思ったら、舌まで入れられて、俺は耐え切れずにぎゅぅ、と相手の服を握った。 腰や脚から力が抜ける。 嫌だ、嫌だ、──嫌なのに。 ちょっとだけ、気持ちいい、なんて。 認めたくない羞恥に、俺はぎゅっと目を瞑った。 [*前] | [次#] /55 『頂き物』へ / >>TOP |