イラスト オマケSS *** 全てが終って、身支度を整えた誠は、音を立てないように扉を開いた。 扉を出た先の洗面所では、哲太がまた煙草を咥えながら鏡で髪型を整えていた。 その、大きく開いたシャツの胸元。 「っ、…」 ついさっきまで、あのたくましい胸に抱かれていたかと思うと、勝手に身体の熱が上がってしまう。 ──ど、どうしたんだろう…。 哲太のあの格好はいつものことで、隣の席に並んでいたときだって毎日毎回あの状態だったというのに。 目線が釘付けになってしまって、どうしようもない。 「…なに見てンだよ?」 鏡越しにぼぅっと見つめていた誠に、哲太が訝しげな視線を寄越す。 「あっえっえっと、た、煙草っ…」 「…はッ。なに、またキスして欲しいわけ?」 「えっ?! ち、ちが、そんな、」 「また勃っちまうぜ? 藤枝」 「そ! そんなこと──!」 ない、と言おうとした途端、哲太がくるりと身を翻して、誠の顎を掬った。 そして音もなく交わされる口付け。熱い舌がぺろりと誠の唇を舐めて。 「──ほら」 「ぁっ」 とん、と哲太の膝が、誠の緩やかに膨らんだ股間を軽く蹴った。 [*前] | [次#] /55 『頂き物』へ / >>TOP |