WHILE 09 普段ならもっと丁寧に解してあげるのだが、今日はもう早く隼人とひとつになりたい。 素早く指を抽送しながらぐにぐにと動かし、隼人を快楽に溺れさせてから、指の代わりにすぐ自身を押し当てた。 「…っ、先輩…もう…大丈夫ですか…?」 晶が息を弾ませて問うと、目を潤ませて、こくりと隼人が肯く。 そんなそれだけの仕草ですら、晶には可愛くてたまらない。 好きだ。 好きじゃなきゃ、こんなこと出来ない。しちゃいけない。 でも、好きだから。 自身を隼人の蕾にゆっくりと挿入していく。 あまりきちんと準備していない隼人のそこはやはりいつもよりもずっときつくて、それでも隼人が受け入れようとしてくれているのがよく判って、晶は隼人を抱き締めた。 「…っは、…は、きつく、ない…? はやと…」 「っぅん…っ」 するすると隼人の手が晶の背中に巻き付く。 「はやと…っ、はやと、好きっ…!」 「ぁ、んっんっ、ぁ、きら…っ、あぁっ、あ、きらぁ…っ!」 いつも気恥ずかしくて呼べない名前も、こんなときだけは素直に口から溢れて出た。 胸の奥から熱くなってくるような、満たされていく感覚に夢中になりながら、晶は腰を振り続ける。 隼人の腕は、最後まで晶の背から離れなかった。 [*前] | [次#] 『カゲロウ』目次へ / 品書へ |