WHILE

06


 そのまま覆い被さるようにして、顎を支えてキスをした。

「ふン…っ、ん、む…っ」
「ッは…、先輩…舌、出して…」
「は、ふ…、う、うん…、んッ」

 何度やっても慣れないらしい隼人の、恐る恐る差し出された舌に吸い付く。口の中で蹂躙するのもいいが、晶としては口の外に差し出された舌を嬲るのが好きだった。
 糸を引いて唇を離すと、隼人の蕩けた眼が晶を見つめる。ぐっと色んな衝動がこみ上げてくるのを、晶は必死に耐えた。

 改めて、とベルトに手をかけると、さすがにもう隼人も抵抗しない。

「あの…さ、晶くん」
「え? はい?」

 もうとにかく早く本番に雪崩れ込みたい晶に、隼人の声が降る。

「あのね。あの…晶くんのお友達に、その…晶くんみたいな、趣味の、子って、いるのかな…?」

 いつもは丁寧語で喋る隼人は、この行為の最中には崩れた言葉遣いになる。それすらも可愛いと晶は思うのだが、今回の質問は意図が見えなかった。
 思わずズボンの腰に手をかけたところで動きを止め、隼人を見る。

「え…? えっと、先輩、それは、どういう…?」

──俺みたいな、って。

 ゲイで、隼人のような男が好きな、ということだろうか。だとしたら。

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