WHILE

04


 隼人は、いつも顔を真っ赤にしながらも肯いてくれる。


 可愛い可愛い先輩。
 可愛い可愛い、恋人。


 親は夜遅くまで帰って来ない、晶の家の、晶の部屋だ。ラブホもいいけど、隼人がどうにもあの空間に慣れないらしく、隼人の家はいつでも誰かがいるから、自然とここで、が多くなった。

 もし疲れ切った隼人が家族が帰ってくるまで動けなかったとしても、晶の家族は晶の嗜好に理解を示してくれている。

──まぁ、先輩は極力顔を合わせたくないみたいだけど…。

 それもまあ仕方のない話だろう。つい最近まで、隼人はノンケだったのだから。いつか慣れてくれたらいいなとは思うが、別に焦る気もない。

 晶にはただ、隼人がいてくれればそれでいい。
 自分で思って、少し恥ずかしくなる。

「…なーんでこんな好きなんだろ」

 シャツを脱がせている途中で、その細い肩口に顔を埋めて、晶は呟く。

「堪んない。…止まんない」
「え? え? 晶くん? …ぁ、」

 薄暗い室内で映える白い首筋に口付ける。下ろされていた隼人の手が、ぎゅうとシーツを握り締めた。

 隼人がそうしてくれと言うからカーテンを閉めて電気は消してあるのだが、外はまだ夕焼けが強い。お陰で逆に隼人の肢体が晶には目に眩しい。

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