オルターナティヴ

07


 だが、気付いたところでどうしようもない。逃げられないことに変わりはないし、もはや衣類は脱がされ外気に素肌を晒し、それだけでなく舐め回され弄ばれているのだ。
 くぐもっているとは言え、さっきから悲鳴を上げ続けているのに、ひとの気配は一切ないままだ。

 このままヤられてしまうのか。
 ぞっとした。

 が。

――男が男を、強姦…?

 幸か不幸か、霙にはその知識がなかった。女性経験はあるものの、相手はつい最近別れた後輩の女の子だ。アブノーマルな性体験などない。

 気持ち悪さに涙を浮べながら、霙は気丈に男を観察する。執拗に敏感な場所をいじってくる。それだけ、だ。

――きもちわるいの、我慢したら、終る…?

 勝手に霙の躯を触り、満足したら勝手にイッて、終るのではないか。霙は浅はかにも、そう思ってしまった。

 だったら、早く終らせたい。黙っていて終るなら、少しでも早く。
 そう考えた霙は、硬く目を瞑って口の中の布を噛み締めた。

 男は笑って、ずるりと霙のトランクスを脱がせた。力のない花芯が露になり、霙は身を縮ませる。男の手が花芯に触れ、持ち上げ、

 じゅるっ…
「んぁぁう…!」

 いきなりきつく吸い付かれて、びくんと腰が浮いた。亀頭やくびれを舌の先で舐められて、頭の中が真っ白になる。

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