オルターナティヴ

06


 混乱する霙の頬に触れ、男は実に楽しそうに笑った。

「顔も名前も好みだった。あとは躯だな。味見させてもらうよ」

 言って、霙の胸元に顔を寄せ。

 ちゅうッ。
「ッ?!」

 突然、乳首に吸い付いた。

「〜っ! んぅうッ! んぅーッ!」

 当然のように霙はパニックの絶頂を迎え、髪を振り乱し、脚もバタつかせ、全身を使って暴れた。
 なんだかよく判らないが、とにかく『嫌』だった。

「ほら、大人しくしていないと酷くするぞ。痛いのは嫌だろう。私も痛い顔よりも蕩けた顔の方が好きだ」

 などとよく判らないことを言いながら、男は霙を押さえつけ、尖らせた舌で小さな乳輪を刺激し、片方の乳首を指で転がす。

 次第に霙も疲れ、抵抗する力がなくなっていくと、男は空いた手で霙の股間を撫でながら舌を臍まで移動させた。

「んん゛ぅ?! ん゛んッ! んうう!!」

 舐められ濡れたところが冷たい。布越しに撫でられる花芯が信じられない。腰の後ろで地面に擦れる手が痛い。
 ずるずると後退した男はトランクスの裾から手を入れ、双球を冷たい指先が弄る。

「ぁぅぅ! んん、ふぅうう…っ!」

 下着の中に触れられて初めて、霙はこの行為の罪状が「殺人」ではなく「強姦」であることに気付いた。

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