10/12/22 02:13
 おばかノンケ×おばかノンケ。
 微エロ。親友同士。
 20分でどこまで書けるか試作2。




 始まりは下校途中の他愛もない一言。
「…なんか乳首痒い」
「…どしたん」
「擦れたかなー」
 体育で激しくバスケしたあとだったから、可能性はあるといえばあるけれど。
 なんかむずむずして変な感じ。掻きたい。でも乳首掻いてるとか変態じゃね?
 そんな下らない会話を交わしてると、「あーじゃーこれは?」と塩田が取り出したのは、リップクリーム。
「擦れて痒いなら荒れたんじゃねーの。塗っとけば」
「それこそ変態じゃね?」
「乳首痒いよりマシじゃね? おら塗ってやるよしゃーねーな」
「しゃーねーな、塗られてやるよ」
 正直ちょっと本気でなんか気になるし、治るんだったらやってみる価値はあると思って。
 さすがに道の真ん中でシャツを肌蹴るのはマズイので、ふたりでこっそりビルとビルの隙間に潜り込む。潜り込んでから、ふたりで笑った。
「…こっちのがマズくね?」
「俺も思った」
 まるで変なコトするみたいだ。いや、変なコトと言えば変なコトなんだけど。
 とっとと終らせてしまおうと、シャツを掴んで胸までめくり挙げる。
 塩田がまじまじと胸を眺めて、感心したみたいに言う。
「ほんとだ、赤くなって乳首勃ってる」
「だ、っからマジ痒いんだって」
 男同士だし、着替えとかも普通に見てるし、今更乳首ごときで恥ずかしいこともない。塩田も普通にくるくるとリップを回して、「塗るよー」と言うなり、ぬるりと俺の乳首にそれを擦りつけた。
 ぷっくりと勃ち上がって硬さを持ってる乳首はくにくに動いて塗りにくいのだろう、塩田は指で乳首を固定してまで、ぐりぐりと塗りつけてくる。
 と。
「ん、ぁ、ちょ、塩田…なんか、冷たいっつか、すーすーするっつか」
「え? どした杉」
「ぁ、ゃ、なんか…へん、じんじんする」
「杉?」
 メントール入りだったらしいリップ。擦れて荒れた乳首には、刺激が強過ぎたようだ。悶え始めた俺に慌てた塩田が、拭おうとしたのだろう、指先で俺の乳首をしごいた。
 普段ギターを弾く塩田の硬い指先の皮膚が、俺の乳首を擦って引っ掻く。びくんと跳ねる、俺の躯。
「ンッ!」
「えっ、ご、ごめん、で、でも取らないとツラいんだろ?」
「お前の指、痛い」
「えぇ? っつったってお前…あ、じゃ、舐める」
「は? っちょ、おい!」
 たぶん、塩田からしたらただの悪ふざけ。
 でも俺の敏感になった乳首に熱いぬるぬる舌が絡み付いて、ちゅうっと唇で陰圧に吸い上げられた途端、俺の躯にはビリビリっと電撃が走った。乳首の冷たいような熱いような感覚が、更に強くなる。
「ッんぅ…っ」
 口許を押さえて壁に背を預け、喉を逸らす俺を、塩田が乳首に吸い付いたまま見上げてくる。
 ちゅ、ちゅ、ちゅ、
 れろ、れろ、れろ、
「く、ぅ…っ」
 でもリップの成分は油。舐めたところでそう簡単には取れるはずもなく、塩田が懸命に舐めれば舐めるほど、俺の躯は制御を失って。
「…杉、なんか可愛いな」
「ば、ばか言ってんじゃね…」
「当たってんぜ、ここ」
 すりりと股間を撫で上げられれば、そこは硬さを持ち始めて、低い位置にある塩田の腹にアタマを押し付けていたことに気がついて、俺は顔を真っ赤にする。
「〜〜っ!」
 そんなつもりじゃなかった。
 俺がそう言うと、
「俺も最初はそんなつもりじゃなかったんだぜ」
 塩田も困ったように笑って言って、そして俺の頭を掻き抱くと、メントールの匂いのする唇で俺に深いキスをした。
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