第五話:オマエもォ死ねよマジで







「はーい出来たよって名無しさんはチャーハンを皿に乗せて居間に運んでみる〜」


手早く作った出来たてホカホカのチャーハンを持って、名無しさんは居間へ向かう。居間では今にも「うげぇ」と言いそうな一方通行がこちらを細目で睨んでいた。


「チャーハンに文句があるのかなアクセラ」

「チャーハンにはねェが打ち止めの真似すンな気持ちが悪りィ」

「ミサカは全然気にしてないよってミサカはミサカは笑顔で受け入れてみる!というかそんなことより早くチャーハン食べたいってミサカはミサカはお腹が悲鳴をあげてることを報告してみたり」

「何だかいろいろ傷付く事を言われた気がするけど…」


釈然としないまま居間に置いてあるコタツに名無しさんはチャーハンを置いた。それから小皿を三枚と箸を三膳。本当に待ちきれないのか打ち止めは両手を合わせたままいただきますの姿勢で待っている。名無しさんがコタツに座ると、打ち止めが元気よく声を上げた。


「手を合わせてーってミサカはミサカは用意万端!」

「合わせましたーっ」


「いただきます!」
「いただきまーす」
「……イタダキマス」


スプーンでチャーハンを奪い合いつつ、三人は喋り出す。

「いやーしかし楽しいね、誰かとごはんを食べるのは」

「そうだねってミサカはミサカは名無しさんの意見に大賛成!」

「どう?美味しい?」

「うん、すっごく美味しいってミサカはミサカは目をキラキラさせながら言ってみる!」

「わーいやったぁ、ありがとう打ち止め!ねねね、一方通行、美味しい?」

「………まァな」

「ちゃんと誉めろー」

「うぜェよ…っつかオマエなンでも出せンならチャーハン出しゃァもっとラクなンじゃねェの?」

「まぁそうなんだけどさーなんかそれ食べるの嫌じゃない?」

「オマエ会った時打ち止めにアイスやってなかったか…」


呆れたヤツだなァ…と一方通行はわざとらしく溜め息をついたが名無しさんは少しも気にしなかった。


「……気になることがあるんだけどってミサカはミサカは話を切り出してみる」

「何かな何かな?って名無しさんは首をかしげてみる」

「気持ちが悪りィつってンだろオマエもォ死ねよマジで」

「これって結構な能力だと思うんだけど、名無しさんの力がレベル2なのって正当な評価なのかなってミサカはミサカは何か訳があるのかなって思ってみたり」「あー…ソレはねぇ、なんていうか、超能力者になりたくはなかったから。だから数値いじって科学者の皆さんをずっと騙してきたんだよ」

「アイツら馬鹿だもンなァ」

「そうそう。毎日毎日地獄だったからなぁ。レベル5だなんて評価されたら一方通行みたいになっちゃうし。」

「オイどォいう意味だ」

「無視無視。っていうか今ごはん食べながらする話じゃないかもねー」

「やっぱりレベル5ぐらいの評価になるはずだよね、ってミサカはミサカは納得してみる。話したくないなら無理に言わなくてもいいよってミサカはミサカは笑顔で返してみたり」

「ありがとう打ち止め。でもいつか話せるといいなぁ。笑顔で、過去の話です、って。」


笑いながらそう言う名無しさんを、一方通行はチャーハンを食べながら見つめていた。





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