もう七年前になる。
元々身体が弱かった俺の奥さんは二人目を産んだ時に亡くなった。覚悟はしていた。本当は一人目もきつかったのに、彼女は「どうせ永くはみたいだから寂しがりな貴方に私からのプレゼントね」と娘を二人も産んでくれた。嬉しかった、でも同時に悲しかった。初めて三那を抱っこした時、俺の顔は涙で凄いことになっていたらしい。

奥さんが他界して六歳になる真子と生まれたばかりの三那と三人の家族になった。俺は毎日家事と三那の事でいっぱいいっぱいで真子に構ってあげられなかった。真子は歳の割りには大人びていて手の掛からない子で、聞き分けも良かった。だからつい甘えていたのかも知れない。たった六歳の女の子に、だ。幸い近所には俺の先輩や同級生が大勢居たし、中には真子と同い年の子供たちも居たので、せめて寂しい思いはしない様にとよく預けていた。



それから一年後。三那を保育園に預ける様になった。それまでは産休を貰っていたから仕事は無かったものの、仕事が始まってからは余計に真子に構えなくなった。真子はその頃小学一年生で学校からそのまま、同級生のいる先輩の家に帰らせて貰い、俺が仕事帰りに三那を迎えに行ってから真子の所に行く日々が続いた。



三那が四歳になった頃、保育園の運動会で『ママと一緒』と言うプログラムがあった。なんでも母親と手を繋いでのお遊戯らしくて俺はどうしようかと焦っていた。そんな時、真子が立ち上がって「三那、行くよ」と三那の手を引いて走って行った。俺は呆然としていた。隣に座っていた雷と三鶴に「あの子、三那ちゃんのお母さんになるんだって言ってた。ハチに安心して貰える様にって」と言われ、俺は場所を弁えず、流れ落ちる涙を止めることは出来なかった。あんな小さい体で我が儘も言わず、俺達のために一生懸命になってる姿に感動した。



あれから三年。
今は中学生になった真子と小学生になった三那。俺は二人に何かしてあげれただろうか。

真子、ありがとうな。
いつも支えてくれて、三那のお母さんになってくれて。

三那、ありがとう。
いつも笑顔でいてくれて、いい子に育ってくれて。

お父さん頑張るよ。二人が成人するまでは働き続けるから。何不自由なく生活出来る様に頑張るからな。




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2ちゃんの泣けるコピペを元に



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