―――…雷蔵、


もし、私が女だったなら、

貴方を束縛することが出来たのでしょうか。貴方に必要だと感じて貰えたのでしょうか。貴方から離れることもなかったのでしょうか。貴方の子を孕んでも良かったのでしょうか。貴方の隣で微笑んでいても良かったのでしょうか。貴方に、この想いの丈を伝えても良かったのでしょうか。

苦しかったのです。
悔しかったのです。
寂しかったのです。

幸せになりたかったのです。
貴方の傍に、ずっと在りたかったのです。

わらって、いたかったのです。



ねぇ、雷蔵。

男の私には叶えたかった夢が沢山あります。
やりたかったことが沢山あります。
伝えたかった想いが沢山あります。


私は死ぬことを畏れたことは有りませんでした。きっと、これからも無いでしょう。だけど、貴方から離れて行くことが怖くて仕方ないのです。もし、もう逢えなかったら。もし、貴方と敵対してしまったら。もし、貴方に、嫌われてしまったら。私は。私は…。



どんなに貴方を愛していても、
貴方と、幸せになることは出来無いのです。



このことを貴方は知らないでしょう。
知らなくていいのです。
知る必要など、ないのだから。




どうか貴方は何も知らないまま、
幸せな未来を生きて下さい

(私は、茨の道を進むよ)







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -