円堂達と離れて、一週間。
やっと生活に平穏が訪れた。
そのかわり、胸にはポッカリと穴が空いた様に虚しい気がする。



「…風丸、一郎太くんですよね?」



道を歩いていると、背後から声が聞こえた。
それは感情がないみたいに冷たい声で、俺は背筋が凍る。
恐る恐る振り返ると、背が高い男が立っていた。



「…誰ですか、貴方は」


「ああ、これは失礼。研崎と言う者です」



研崎と名乗った男は、とにかく不気味で蛇の様な目で俺を捉えた。



「"力"が欲しいと思いませんか」



"力"…
今の俺には、魅力的な言葉だった。
強ければ、円堂達と共に戦える。

そう、思った。



「欲しい…力が、強さが…」



そして、俺は闇に堕ちた。


たとえ仮初めの力だとしても、お前の隣に並べるのなら…








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -