「隆景さんって淡白ですよね」
「それは、性格や態度にしつこさや拘りが無くあっさりしているという意味で捉えますね」
「いやいや、書に関してはしつこくて拘りが有ってこってり濃厚じゃないですか。私が言っているのは性に関して関心が薄いほうの意味です」
「(こってり濃厚…)何故急にそんな話をするのです」
「秘密です。何だが性欲というものが感じられないなあ」
「どうでしょう。一般男性と変わり無く、平均的だと思いますが」
「それです、男性なんですよね隆景さん」
「…私が女性に見えますか」
「いいえ。でも女装とかさせたらイケる。ん?なるほど女装かな」
「もしや義隆様とのご縁の真偽を知りたいのですか?」
「!!(暴露た!)」
「ふむ、何処で噂を聞きつけたかは知りませんが、貴女の好奇心は計り知れませんね。父上の著書の厚さの様に」
「好奇心の例えが非常に悪い!いえそんな事より暴露てしまっては仕方がありません。どうなのですか」
「ふむ、そうですね…」
「(アッー!な真偽を確かめるべく…!)」
すると向き合って座っていた隆景はずいと距離を一気に詰め、ねっとりと腹の括れから腰にかけて撫で手をまわし、顎を持ち上げ自分の顔へ向かせた。見下ろす隆景の表情は見た事が無い、男の顔をしている。視線がかち合った時、自分の唇に隆景の唇が降ってきた。角度を変えて好きに唇を啄ばまれ、ゆっくりと顔が離れとても悪い顔で言った。
「参考になりましたか?」
「なっ、なっ、なっ…!」
「おや、わかりませんか。ならばもう一度」
「んんっ…」
結局流されました。
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