大人になっても治らない可能性のある病気、それが中二病だ。


格好よく決めたのに、なんと俺はあの後もう一度教室に舞い戻った。何故かって?お前…そりゃ、帰り方が解らなかったからに決まってんだろ…!俺だって恥ずかしかったさ、もういっそ舌噛み切って死のうかと思ったけど、痛そうだからやめておいた。まったくぅ、優君ったらチキンなんだからっはあと。うぼろろろろ、吐き気がしてきた重症だなこれは。とまあ、思い出死(恥ずかしいことを思い出して死にたくなるの意)は一先ず置いといて。再び教室に現れた俺に、志摩君と奥村兄君は吹き出す。恥ずかしさは頂点だったが、吃りながらも素直に道を尋ねると 笑いを堪えている様子の勝呂君が一緒に帰ろうと提案をしてくれた。なんだ怖いと思ってたのに、違うんだろうか。人は見かけによらないんだなぁ。とんとんとん、またまたそれは置いとこうね。流れに従った結果、勝呂君グループと一緒に寮まで帰ったが、奥村兄君は別行動だったのが謎である。気にはなったが 聞けるほど仲が良い訳ではないだろう。勝呂君達だって、溢れ出るボランティア精神から俺のことを助けてるだけであって、それ以上のものなんてないはずだ。うん、納得、大丈夫。そんなことを考えながら、昨日は眠りについたのでしたちゃんちゃんはい終わり。案の定爆睡でした。ちくしょう、目覚めたくなかったな。



えー、てすてす、話は変わるけど只今魔法円・印章術の授業中であります。上のは回想だよ、すっ飛ばして読んでね!てへぺろ!…あ、ちょっ、ごめんなさいもう言わないから岩投げないで!…うん、まあ一人芝居はここらで止めとこう、虚しいわ。引きこもったままの意識を引っ張り出して、この前見かけた 眼帯ダンディ先生(名前は確か…ネリガウスだったっけ?間違ってたら恥ずかしいなこれ)に意識を向ける。やっぱり中二病っぽいぞげふんげふん。

「図を踏むな。魔法円が破綻すると効果は無効になる」

ほうほう。ネリ…ネミ?ネイ?…まあいい、ともかくネリガウス先生の足元にはこれまた中二臭漂う魔法円らしきものが書かれてある。ちょっと格好いいとか思ったのは内緒ね。

「そして召喚には己の血と適切な呼び掛けが必要だ」

うわっネリガウス先生の手やばいぞ血だらけだ。中二病拗らせて自傷するようになったやばい人がネリガウス先生だな、よし覚えた。近寄らないようにしよう。俺が心の内で固く決意をしたのなんか知らないで、先生は魔法円に血を垂らす。

「"テュポエウスとエキドナの息子よ。求めに応じ 出でよ"」

先生のてら格好いい呪文と同時に魔法円からグロい奴が現れた。なんだこいつ…可愛いぞ…!実は俺、ゾンビとか凄く好きなタイプなんだぐふふ、あれに抱きつきたい。「け…げえっ…!硫黄くさ!!!」「あれ屍番犬か…は…初めて見たわ…」ちょっと引き気味の勝呂君と志摩君の会話でわかったのは、あのグロ可愛い奴の名前がナベリウスだということ。よし覚えたぞ、ナベがリーマンとウスを落とす、つまりナベリウスだ。覚え方が変とか知ってるんだからもう言うなよ、心が砕けるだろ。

「今からお前達にその才能があるかテストする」

あれ…ネリガウス先生、どうして奥村兄君をみたんだろう。彼もそれに気付いたらしく、見返すが すでに先生は話に戻ってしまった。ああ…なんだろうな、嫌な感じがする。





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