「趙雲、殿……そろそろきつい、のだが」
「ああ、すみません」

馬超の体力的にそろそろ終わりにしないといけないだろう。今宵のことが鍛練に響くと困るのは、お互いよくわかっている。
趙雲は腸に潜らせた手とは別の手で血液を掬い取り、馬超の蕾を濡らす。
指を差し込んで慣らす度に馬超が軽く喘ぐのが聞こえる。

「馬超殿、揮れますよ」
「……ああ」

猛った自身を馬超の蕾へと少しずつ揮れる。馬超の中は相変わらず狭いが、その中を自身が満たしているという事実に興奮を隠せなかった。
律動を開始すると馬超は狂ったように喘ぐ。
馬超の感じる箇所を責めつつ、腸を軽く揉む。馬超は喘ぎ声を押し殺そうとするも、甘い喘ぎは漏れ出るばかり。

「趙、雲ど、の……うぁ、」
「馬超殿、凄くお綺麗です……」

赤く染まった体と涙、情欲に濡れた瞳、生々しくうごめく臓器。猟奇的でいて、ある種の美しさを称えた光景が趙雲を圧倒する。
腰を動かす趙雲はこの光景に言葉を失うほどに見とれてしまっていた。

「趙雲殿、もう……っ」

馬超の言葉で我に帰る。
達しそうな馬超の雄を片手で包み込んで擦ってやると、殺しきれなくなった嬌声が耳を濡らす。もう片方の手は臓器を弄んでいた。
暫くして生暖かい精液が馬超の腹を汚すのと同時に肉壁が趙雲を締め付ける。

「ぐぅ……っあ」

耐えきれなくなって趙雲は馬超の中に射精すると、馬超の身体がびくりと跳ねた。
趙雲は馬超から自身を引き抜くと、改めて馬超の腹部を見やる。
これでもかというほどに撒き散らされた赤と精液の白が交差して臓器を彩っている。

「……趙雲殿、少し気分が悪い。すまないが、そろそろ縫合してもらえぬか」

虚ろな目で馬超が言う。趙雲ははい、と頷くと脇の机から布を取り、手早く精液を拭き取って縫合を開始する。
慣れた手つきで針に糸を通し、開いた腹部を縫い付けていく。
慣れた様子なのは馬超も同じのようで、呻き声ひとつ漏らさずに淡々とその様子を見つめていた。


「いつもすまないな、趙雲殿」

縫合を終え、赤く染まった寝台の上で馬超が呟いた。

「今回までですよ、馬超殿。最近、貧血気味でふらふらしてるではありませんか」

ああ、と馬超は苦笑する。
それに趙雲はいつも通りの優しい笑みで返し、馬超の横たわる寝台を拭いていく。

馬超は趙雲と性行為を行うとき、必ずと言うわけではないが、頻繁にこのような行為を繰り返していた。
被虐願望とでも言うのだろうか。馬超は傷つけられることに快楽を見出だしていた。それも叩くどころではなく、切り裂かれ、内臓を抉り出されることにさえ。
趙雲は初めて馬超と関係を持った際にこの異常とも言える程の性癖を暴露された。
その時の馬超はどうせこれを暴露したことでこの関係も終わるだろう、と踏んでいた。
だが趙雲はそれを受け入れ、こうしてその異常性癖を満たすための相手にもなってやっているのだった。

先程の開腹で疲れはてたのか、拭いている途中の寝台の上から寝息が聴こえだした。
趙雲は一旦布を床に置くと、寝ている馬超の髪を撫でる。
先程の行為からは想像出来ないような穏やかな寝顔を見て、趙雲は優しく微笑むと、馬超の額に口づけを落とした。


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