世界が少しずつ変色していく。草木は枯れ、大地は荒廃していく。 地球から少し離れた星。グランはその様子を眺めていた。 グランは地球の人ではない。地球から見た場合の、宇宙人。 長らく地球に住み、人々を観察していた。 グランの心はまるで飴細工のように脆い。人々や地球の生物と関われば関わるほどに、人々の汚い部分を知れば知るほどに、その飴細工の様な心を傷め、地球を憂いた。 時は立ち、地球はグランの想像を絶する惨状までに至る。 この星に、未来などない。 耐え切れなくなったグランは長らく住んだ地球を飛び出した。だがやはり後ろ髪を引かれる思いがあったのだろう。少し離れた星に住み、毎日地球を眺めている。 ここ数年で、地球は一気に荒廃の一途を辿っている。恐らく、持ってあと1ヶ月か2ヶ月。その間に生物は死に絶えるだろう。 何がここまで地球を腐敗させたのか、原因は明白だ。 果てることのない人々の欲望が余りにも肥大し、暴発したからだ。その結果、自分達の星を殺すことになった。 皮肉なことだ、とグランは呟く。誰もいない空間に声が反響した。 星墓 予想通り地球は1ヶ月と少しで完全に活動を終えた。地球の最期は何処か物悲しさを纏った、静かな終わりだった。 死んだ地球にグランは着地する。 辺りを見渡すと昔住んだ懐かしい土地だった。円堂守という懐かしい顔が一瞬頭を過り、そして消えていく。 誰もいない空間にグランの嗚咽だけが反響していた。 //グランちゃんはガチ宇宙人 |