溺れる。金魚鉢に無理矢理閉じ込められてるみたい。
息ができない。苦しい。
いっそこのまま楽にして欲しいと心底思うよ。
入水自殺でもしようかな。
だけど心のどこかで心地好く思っている。
ずっとこのままがいい。
苦しみの中に甘味を見つけてしまうとひたすらそれを求め続けてしまう。
自分でも本当に困ってしまうよ。悪い癖。
蜜の味など知らなければこのようなことにはならなかったんだろう。
永遠とも思えるほどに続くループ。終わらない計算。
3.1412。メビウスの輪。

君が僕に飽きるまで延々と続く関係。飽きたらおわり。
全部まっさら、白紙に戻る電源1つ。
早く終わらせよう。嫌だ、そんなの嫌だよ。早く解放して!
君の掌が僕を打つ度感じる感傷も一瞬で忘れて夢中になる。

濁った水に清い魚が住めないように清い水に濁った魚は住めない。
君の濁った部分が見たくて清い水を抜け出してね。
君の濁りは思っていたよりずっと深くて底には手が届かなかった。
君はずっと息を止めたままで濁った水の中を優雅に泳ぐ。
僕にも泳ぎ方を教えてくれよ。
上手に泳げないんだ。
どうしても溺れてしまう。

地獄を見たと君は言った。
きっと君は僕の知らない世界を見たのだろう。
世界の淀んだ濁りの中。
さぞかし苦しかっただろうね。
でももういい、もういいんだよ亮。
全て僕が受理してあげる。
だから、だからずっと僕と一緒にいて。
綺麗な世界を見せてあげる。

泪をひとつ、呑み込むたびに青い味が喉に染みる。
呑み込む嗚咽。落ちる無色。

完成された世界には何も価値を感じないよ。
二人だけでひとつひとつピースを埋めるのがいい。
永遠に完成しないパズル。
それが理想形。

濁った金魚鉢

濁った水には濁った魚しか住めないと言うけれど。
明日すらも保証されていないこの淀んだ世界で僕は濁った水を選ぶ。


//亮に依存する吹雪


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