「小春ちゃーん!」

沈む夕日を背景に部活が終わったばかりの彼に女子制服を着た男の子が彼の名前、小春と呼びながら向かって来た。

小春は少しビックリした顔をしながら足早に男の子の元へやってきた。

「あら、立夏ちゃんじゃない。こんな時間まで何をしていたの?」

「部活見学!!小春ちゃんすっごく強いし面白かった!

小春ちゃんもテニス楽しかった?」

「ええ、とっても楽しかったわ。そうや!立夏ちゃんもテニスしてみない?」

そう言うと男の子、立夏はビックリしたかの風にワタワタと慌てた。

まんま女の子である。

「えっ!でも、うち運動神経ないし…。」

「体験入部でもしてみればええんやない?」

「でも…。」

男の子が渋っていると、小春は最後の一押しを言った。

「ユウ君に会えるわよ?」

「ほ、本当!?」

「ええ。体験入部に来てくれたらユウ君と話す機会を作ってあげる!」

「行く行く、絶対行く!!」

さっきとは全く別の意見を言いながら頬を染める男の子を見ながら楽しそうに笑った。

その光景はまさしく乙女の図だ。

「うふふ、恋する乙女は可愛いわ〜。」

「えへへ、小春ちゃんだーいすき。」

「あたしも立夏ちゃんだーいすき。」

お互いに抱き着きながら楽しそうに家まで帰って行った。





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