2.滝の従兄弟
(滝side)
今日は写真部の活動日だけどまさか詩織はコッチに来ないよなー、なんて考えてた数分前の俺にバックドロップをかけたい。
「今日は宜しくお願い致します、跡部君。」
「ああ、しっかり俺様の美技をそのカメラに焼き付けろよ?」
「はい、畏まりました。」
なんで、なんでっ、
「お前がいるんだよ…。」
詩織はちゃっかり来ていた。絶対写真部の中にいるファンクラブの人が来ると思ってたのに…。何でよりにもよって詩織が来てるんだ!?詩織以外なら誰でもよかったのに。
「では私は他の練習している部員たちを撮って来ますね?」
「ああ、頼んだぞ雨宮。」
俺は詩織が平部員の方に行ってから跡部の元へ向かった。
「跡部…。」
「何だ、滝か。どうした?」
「何で写真部の子が詩織なの…?」
「ああ、他の奴等だとミーハーだから仕事はしないがあいつだけしっかり働くから俺様直々に指名してやったんだ。感謝しろよ?」
今ほど跡部を殴りたくなったことはない。
「ゲッ、何でここに詩織ちゃんがおるんや?」
「忍足…。」
同 士 が い た 。
「詩織はミーハーな子と違って仕事するから呼ばれたらしいよ。」
「…何となくわかるけどわかりたないわ。いつものインサイトはどないしたんや跡部…。」
忍足と俺は同時に溜め息を吐いた。お互い苦労しているんだね。
「(腐腐腐腐腐、何て素晴らしい筋肉美…。程良い筋肉、汗ではりつく髪、そのエロい吐息もいいけど…やっぱり一番は動くたび見える腹チラの腹筋!!)ご協力ありがとうございます!」
「…何か詩織ちゃんの疚しい気持ちが見えるんやけど?」
「…気付かなかったフリしておいた方がいいよ。」
今日は部活に集中するのは無理だな、なんて思いながら重い腰を上げてアップのため準備をしに向かった。
prev|
list|next