リヴァイ



スーパーの袋をガサガサと言わせながらアパートの鍵を開ける。靴を脱ぐのに少しもたついていると後ろから早く入れと催促された。はいはい、と心の中で返事をして玄関からリビングに向かい、冷蔵庫に食材をしまう。スーパーの袋が空になりソファーに座り休憩しようとした時、ガシッと肩を捕まれた。思わず後ろにのけ反り振り返ると、眉間にシワを寄せ不機嫌な顔した恋人。

「おいなまえ…どういうつもりだ…?」

「え、え…?」

「帰ってきたらまず風呂だ」

「いや、でもリヴァイさん…ほんの少し出ただけだし」

「いいから、来い」

問答無用でそのまま脱衣所へ引っ張られる。脱衣所にはバスタオルが二枚、既に準備されていた。きっと出かける前に準備したのだろう。私はばれないようにため息をついた。

「…早く脱げ」

「…はい」

シャツのボタンを外し上半身があらわになるリヴァイさん。彼の体なんて見慣れてるはずなのにやはりドキッとしてしまう。鍛えあげられた筋肉にどうしても目がいって、少し興奮してしまうのだが、

「…おい…ボディソープが切れそうだぞ」

「あ、大丈夫です。買ってありますから」

「そうか…」

シャワーを浴びるリヴァイさんは私の体を見ても何も反応がない。寂しいなぁ、なんて思いながらも、仕方ないか、と納得してしまう。彼にとってこの時間は体を洗う為だけの時間なのだから。ここで行為に及ぶ事もあるが、それは私がどうしてもリヴァイさんに触って欲しい時だけだ。

「っ、くしゅん!」

「…髪をちゃんと乾かせ」

「はーい…わっ!」

「てめぇはいつも返事だけだな…」

お風呂上がりに髪も乾かさずにソファーでくつろいでいると、リヴァイさんがガシガシとタオルで私の頭を拭く。それからドライヤーの音が聞こえ、リヴァイさんにされるがまま、私は目をつむって髪を乾かしてもらう。

「…何か、眠くなって来ました」

「まだ寝るには早いぞ」

「だって、リヴァイさんに触れられてると…気持ち良くなってくるんだもん…」

「……」

「ん…」

ドライヤーの音が止み、リヴァイさんが私の頭を撫で、髪を梳く。本当に寝てしまいそうだ、と目を開けると、リヴァイさんの顔が近付いていて、彼の髪が、私に触れた。

「ん、っ…」

はむような口づけに、私は心臓が飛び出そうだった。リヴァイさん、と名前を呼ぶと開いた口に舌がねじ込まれる。

「っ、な、に」

「…あまりそういう事を、男に言うな」

「え?」

「もたなくなる」

「…何言ってるんですか、私の体を洗っても何も反応してくれないのに」

「あ?そんなので一々反応してたらキリがねぇだろ」

「そうだけど…ちょっと寂しい…」

頬を膨らませそういうとリヴァイさんは私から離れ、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し私なんか知らない、みたいな顔してごくごくと飲んでいる。リヴァイさん、と呼ぶと目線をこちらに向け、フッと笑った。

「何ですか、そんな一人余裕みたいな顔して」

「あぁ…余裕だからな」

「恋人と一緒にシャワーですよ?リヴァイさん私の事本当に好きですか?」

「安心しろ、俺は…なまえが好きだ」

「……また、余裕見せて」

「不満そうだな?」

さらりと好きだと言うリヴァイさんに心臓をバクバクと言わせながらも、だって、とまた頬を膨らます。

「余裕のないリヴァイさんも見たい」

「…そうか」

「もっと求めてくれたっていいんですよ」

「……」

「リヴァイさん!」

ソファーから立ち上がりリヴァイさんのもとに駆け寄る。少しだけ背伸びをして口づけるとリヴァイさんは私を驚いたような顔で見る。

「言っただろ…もたなくなるって」

「余裕のくせに」

「そうでもねぇ…なまえと暮らしてからは、結構我慢してる」

そう言ったリヴァイさんはやっぱり余裕に見えて、私はまた頬を膨らませた。


End
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途中でわかんなくなった。同棲シリーズ第三弾。


2014/04/15 宙

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