ハンジ

※女×女

家に帰るとアパートの前に消防車がいて、火事でもあったのかと焦り近付くと、消防隊の人と何やら話している同居人を見つけた。まさか私達の部屋が火事になったのかとさらに焦って同居人の元に行き事情を聞くと、

「実験してたら予想以上の煙が出てね、火事と間違えられちゃったんだ、あははははっ!」

笑い事じゃねぇよ。私が消防隊の人に頭を下げて謝ると、「今後はこのようなことがないよう注意してくださいね」と何故か私が怒られた。火事騒ぎを起こした当の本人は既に部屋に篭りまた実験しているらしかった。先程ボンッという爆発音が部屋から聞こえたが、それくらいは日常茶飯事で、もう慣れてしまっている。私はため息をついて部屋のドアをノックした。

「ハンジさん、ご飯出来ましたよ」

「はーい、ちょっと待って」

「今日はきつねうどんですから、伸びないうちに来て下さいね」

「了解ー」

ドアの中から返事が返ってくる。しばらくテレビを見ながら待っていたが、了解、と言ったくせに全く来る気配がない。せっかくのうどんが伸びてしまう。もう一度呼びに行こうと立ち上がると、ハンジさんがリビングに入って来たところだった。

「あれ、どこ行くの?」

「ハンジさんが遅いから呼びに行こうかと思ったんですよ…うどんだって言ったじゃないですか」

「これでも善処したんだけど…あれ、なまえ、まだ食べてないの?」

「だからハンジさんを待ってたんじゃないですか」

そう言うとハンジさんは顎に手を当て、にやにやと笑った。

「何笑ってるんですか…」

「いや?可愛いなーって」

「なっ…!」

ハンジさんが私に近付き、可愛いと囁く。私は思わず目を閉じてしまう。舐めるようなキスに腰が震える。頭を押さえられ腰を抱かれ、ハンジさんから逃げられない。唇が離れる頃には、もう腰が抜けてしまっていた。

「どういうつもりですか…っ」

「どういうって…可愛いから、キスしたんだけど…あ、もしかしてしたかった?」

「違いますっ!」

「あははっ、さ、ご飯ご飯」

そう言って席に着くハンジさんを睨みながら、私とハンジさんは冷たくなったきつねうどんをすすった。


End
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同棲シリーズ。
第一弾はハンジさん。


2014/04/06 宙

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