コートを駆ける激しい足音、跳ねるボールの音、飛び交う指示。

手元のストップウォッチを確認しながら試合の流れを眼で追う。

3.2.1…

ユースタス屋が放ったボールが綺麗なアーチを描きリングへ吸い込まれる。

ピーッとホイッスルを吹き試合終了の合図を告げれば、ゼェゼェと息を切らせた部員達がコートから出てきた。

「お疲れユースタス屋」

「おぅ…!!」

他の部員達が息を切らせぐったりとしている中、バスケ部のキャプテンであるユースタス屋はだらしねぇなァお前ら!!と周りを見渡しニヤリと笑った。

「あぁ〜あちぃ……」

首筋を流れる汗を手の甲で拭うユースタス屋の姿に胸が高鳴り慌てて目を逸らした。

我が恋人は今日も大変男前である。こんな事本人には絶対言えないが…。

「ロー先輩!!どうでした俺の動き!!」

タイミング良くキャスケットに声をかけられ、その場から離れる事が出来た。

「キャスは無駄な動きが多すぎる。だからすぐへばるんだ。それと、パスの切り返しが遅い。もう少し早く反応しないと本戦で足引っ張る事になるぞ」

「うぅぅ…手厳しいッスね…」

「でも、当たってる」

不意に後ろから抱きしめられ、腹の前で手を組まれる。

「ユ…ユースタス屋!!」

「キャス、今トラファルガーに指摘されたとこ覚えとけよ」

「ハイッ!!」

「んじゃ、暫く個人練習ってみんなに伝えとけ」

「リョーカイッス」

ヒラヒラと手を振りキャスを追い払うと、ユースタス屋は甘えるように首筋に唇を寄せてきた。

「なぁ、トラファルガー。俺は?」

耳元で低めの声で囁かれる。俺が耳弱い事知ってるくせに…。

「い…いつもよりジャンプが少し低くかった。それと…左足庇ってるだろ…」

「やっぱりバレた?」

「ハァ……どんだけお前の事見てきたと思ってんだ」

スルリと腕から抜け出し、タオルを投げつけた。

「さすが敏腕マネージャー様」

投げつけたタオルを首から下げ、降参のポーズをするユースタス屋。

「ふざけてないでさっさと部室行くぞ。足…診てやるから」

「診た後は?」

「はぁ?」

「せっかく二人っきりになれるんだしちょっとくらい…」

焦らすように腰から太腿にかけてゆっくりと撫でている手を叩き落とし

「ちょっとくらい…何?」

ニコリと笑ってみせる。

「トラ…ファルガー…?」

「人が本気で心配してんのに…」

「悪かった…。ちょっとふざけすぎた」

「次は無いからな……」

「ごめん」

ヘラリと情けない顔で笑うユースタス屋にやれやれと手を差し伸べる。

「んっ……」

「えっ?」

「手……部室まで繋いでやる。それで我慢しろ」

だんだんと顔に熱が集まるのが分かる。それを知られたくなくて無理矢理ユースタス屋の手を掴み引っ張るように歩き出す。

だけど、その手はしっかりと恋人繋ぎ。恥ずかしくて隣に並んでは歩けないが、想いが伝わるようにギュッと手に力を入れた。





(―今日も明日も明後日も何度も君に恋をする― )










――――――

tora千代様より相互記念で頂きました!

バスケ部キッドた ま ら ん!

後ろから抱きつくとか…!!
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛i(ry

死ねる!!もう今日が命日でいいよ←
うふ!!ふふふ!!!


本当にありがとうございました!!


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