至さんとWhite Day後‘17(A3!)
そうこうしてるうちに、学生組も至さんを除く社会人組も

夕飯を食べ終えて、ひとやすみしてるとこだった


みんなからは、ホワイトデーのお返しをたくさん貰えた




私は、我が寮のオカンこと臣くんと肩を並べてお皿洗いを

しているわけだけれど、椋くんとシトロンくんと綴くんが談笑してる


「あの、ホワイトデーは日本文化だけって本当なんですか?」

「ソーネー!だから、ワタシの懐紙も溶けたヨ!」

「えええっ…!懐紙って溶けるんですか!?」

「腰も抜けた、だな」

「ソレネ!オウ、ツヅルとワタシは相思相愛ネー!」

「そ、それって…!二人が愛しあっ」

「やめて!気持ち悪いから!」


相変わらず、賑やかでいいなぁと淡々と思っていると




私は閃いた




そう、ホワイトデーっていうのは、気持ちだし

そもそも文化っていうよりかは、お菓子会社の経営戦略の一環!


つまり、それに従う必要性はほぼほぼ皆無に近いわけで


何もかもイエスしてちゃダメだよね、イエスマンになっちゃダメだ!




なにより、日本だって男の子から女の子宛てに渡すのが基本

なわけですし、そうですよね

つまりあの日、すでにカレーという名のチョコを渡した


私はホワイトデーでは貰う側であるはず!




悩む必要なんて、ないんです!!!!!










「で?」

「すみませんでした、調子のってました」

「だから?」

「あの、今からコンビニいって…買ってきます」

「何買うつもり?」

「…ホワイトデー用の何か」

「もう日付け過ぎてるんだけど?」

「スミマセンデシタ」



頭を深く深く下げて、猛反省してます

さっきまでの自分を殴りたい気持ちが胸いっぱい


そして、残業帰りで疲れ切っているはずであろう至さん

私の前に仁王立ちしながら、スマホゲームで何か遊んでる


ときどき、聞こえてくる舌打ちが私へなのかはわかりません



だって、足と床しか見えません



自業自得だから、文句なんて言えた立場じゃないけど

と目を閉じて、自分の行動を思い起こしていたら名前を呼ばれた


ピクリと私の全身が揺れて、いつの間にか聞こえなくなったゲーム音

そして、空気でわかる至さんとの距離が近い



「ゴホッ」

「はい、至さん」

「これ、お返し」



ぽんと目の前に出された可愛くラッピングされてる箱


「たくさんもらってるだろうけど」

「…すっごく、可愛いです!え、あの!」

「俺のが一番でしょ?」


言葉がでなかった、だって私は忘れたのに

さっきまで、さんざんな言い訳を付けてたのに



言葉の代わりに、涙がとまらなく出てきて

それを見た至さんが驚いたようにしてたけど

そっと抱き寄せてくれた


私がどんなに小さくて、か細い声しか出せなくても

その一語一句を聞き逃さないようにぎゅっと



幸せだなぁ…そんな暖かな気持ちで満たされた心



落ち着いた頃には、至さんは「明日も早いし寝ようか」と

言ってきてくれたので、「そうですね」と返して立ち上がり





転んだ






至さんが私の袖を勢いよく掴み下に引っ張るもんだから

尻もちをつき、腰をさすりながら元凶の方を振り向いて



彼、至さんをみたら超絶笑顔なオフモードだった




「俺も一番をあげたんだから、一番のお返しくれるよね?」

「えーと、あれ…?」

「そういう約束だったしね」

「でも、日付け過ぎたってさっき言っ」

「俺は寝るまでが『今日』だから」



恋人同士らしいホワイトデーを作ろっか、至さんが囁やいた




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