どうしてこうなった。


 



「やっぱ、お主もFクラスか」

秀吉は、まるで私が『馬鹿』と思ってあざ笑うかのように呟いた。

「悪かったですね〜馬鹿で」

馬鹿、の部分を強調してみれば「まぁ、そんなに怒るでない」と秀吉がまるで私が拗ねたかと思わせる態度で言ってきた。んもう、あったまきちゃう!いくらなんでも怒るよ秀吉。…まぁ、点数的には互角だとは思うけど、試験の日に生憎私は欠席しちゃってたからかけないんだけどね。勇者?そうしたってくれたっていいのだよ、わははは…なんか、すっごくむなしくなった。

はぁ、と明久と坂本君に聞こえるようにため息をついたらムッツリーニが反応してきましたよ。ムッツリーニは保健体育だけだったら絶対誰にも勝てないと思う。現にそうだ。明久だってエロいこと考えている時が多いけどテストとか授業とはそう言う時にはさっぱりと言っていいほど役に立たない。二回目のため息をつこうとした矢先、オンボロ教室のドアが、がらりと開いた。誰だろう、そう思って視線を向けて私は後悔した。

「げ…」
「姉上!蘭丸を置いて何故こんな学園に入ったのですか!?」

おいおい、我が弟よ…『こんな学園』とは言えないのじゃないか?まぁ、私たちを引き取ってくれた義父さんと義母さんの学園も凄いけどさ。私は蘭丸に視線が注目されていることに少し後悔しながら近づく。クラスメイト達ががやがや言ってるけど、気にしないよ、もう。

「我が弟、蘭丸よ」
「何ですか、姉上!」
「婆沙羅学園に帰りなさい?」
「嫌です!蘭丸は姉上を連れ戻しにきたんです!」

そんな可愛らしいことはいつきちゃんに言いなさいな。そう言いたい、今すぐ言いたい。

「私はこの学園で生活するの」
「いーやーでーすー!」

はぁ、と先ほどだしそこねたため息をついて私は後悔した。何故、この学園にきてしまったのだろうか。いや、理由は迷惑かけたくないのと学費が安いからなんだけどね。まぁ、しょうがないか。ポケットから笛を取り出して思いっきり吹く。


ピーーーーーッ


そんな音が教室を支配して、強い風がふいた。


「お呼びかい?瑠美ちゃん」
「佐助、蘭丸を学園から放り出して」

佐助が、風のごとく現れて蘭丸を取り押さえる。佐助は私の下僕ではないけど、役に立ちまくってる。さっき吹いた笛だって、佐助が「もしもの時に」とくれたものだ。


「離せえええ!」
「ばいばい、蘭丸と佐助」
「じゃーねっ瑠美ちゃん」
「姉上ぇえええ!!!」




「あの、瑠美さん?」
後ろから不意に明久から話しかけられた。いつもは敬語なんて使わないのに…。


「ん、何?明久」
「あの子は…?」
「私の弟。あれでも中学三年生だよ」
明久は心底吃驚した顔になる。…まぁ、子供っぽいけどね

 



20100213
別サイトのリメイク版です。…中篇でやってみたいと言う願望。



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