藤が大大大大嫌いになった日
ぜぇはぁ、と深呼吸をしているハデスは、どうやら落ち着いたようだ。に"ご、と聞こえそうな引き攣った笑みで私に「どこか具合でも?」と尋ねてくる。
「具合は悪くない。あんた、ハデスに用があるだけ」 「僕に?」
きょとん、ともしこんな面じゃなければ女性受けしそうなくらい首を傾けた。そんな攻撃、明日葉がしなければ効かないんだぞ!と言わんばかりに目の前を手のひらでガードする。…あれ、これは効いていることなのかな?と不安になりつつ大声で叫ぶ。
「ハデスと、ハデスに構っているデブとイケメンのせいで!明日葉がどんどん私から離れていくんだ!」 「…はぁ?」
ハデスではなく、藤が嫌そうな声で、何か飽きれたように言ってきた。
「藤、私は今怒っているのだ。明日葉の可愛さを狙っているのだろう!ま、まさか…お前…ホ「ふざけんな」否定するのが怪しいんだぞ!」
私が怒りに任せて言うと、藤が鼻ではん、と笑った。なんか勝ち誇った感じで、ムカついてこいつを本気で呪ってしまおうか、と思った。すると、今まで空気だったハデスが何がなんだか分からないと思っているのだろう、オロオロしている。このまま、明日葉に近づいて欲しくないのに。
2010 04 28
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