お客さんじゃないよ、多分


 



保健室についたのはいいのだけれど、流石にお化けみたいな恐ろしい顔をしているハデスに会うのはできるだけ避けたかった。い、いやそんなこと言っている暇はないのよ!一刻も早く先生に話しつけてアシタバを思いっきり抱きしめてアシタバを補充しないと!
覚悟を決めた私は、すぅと息を吐いてノックをせずに保健室へ入った。

「たのもー!」

私の声が保健室に響き渡る。ソファにいたのは同じクラスのサボり魔である藤で、ポットを持っているハデスが目に入る。なんだ、この和みがある雰囲気は…。

「…ど、どどどどどうしよう藤くん!保健室にお客さんが…!」
「落ち着け」

動揺しているな、ハデス!…で、でもお客さんじゃないような気がするぞ私は。どちらかと言うより刺客的なそんなポジションにいるとは、思うんだ。



2010 04 15

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