笑えるじゃん、
許婚なんかいらない!自由恋愛でいいじゃない!何でこんなことになったの! 叫び足りない私の心の中で思っている本音。嗚呼、本当に叫べたらいいのに。
現実では、今日で軽く十回は超えているだろうため息をしておぎなってはいるが、生憎これだけじゃ私の気がおさまらないのだ。昨日は親に三時間ぐらい怒られたし、なんか良く分からないけれど土屋に笑われたんだよ!?滅多に見せない笑みをしたんだぞ!? 何ですか、私の存在自体可笑しいってか?嗚呼、そうですか、そうなんですか。
とぼとぼと学校に向かうため歩いてたら、後ろから誰かに肩を叩かれた。思わずふり返ってみればイラつきの原因の一人、土屋だった。
「何?」 「……なんでも」 じゃあ肩叩くなや!そう言いたいが生憎親父に止められてるのよ。はぁ、
「ごめん」 ぽつりと呟いた土屋に思わず言葉がでなくなる。何故謝る?許婚と言うことを黙ってたせい?ぐるぐると魔女らしき人物が私の脳みそをかき混ぜている感覚に陥る。意味わかんない、つまりそう言うことだ。
「ごめん、」 「謝らないで」 「………ごめん」 「次謝ったら絶対に許さない」 私がそう言うと土屋は『ごめん』の『ご』の部分を言って口を急いで閉じた。…何気に面白い。
「ん、よし。許す」 「………」 「珍しく喋ったかと思ったらまただんまりかよ」 まぁ、久しぶりに心の中で笑えたから…いっか。
2010 02 23
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