許婚と本心


 


きっと、今の私の顔は間抜けにしか見えないであろう。すべて父親のせいなのだ、ふざけんな、死ね。そう言ってやりたいがぐっと我慢する。表ではそんなキャラじゃないしぃ。…ふざけて御免なさい、だから最初から話してほしいんですよ父上。

「許婚ってどういうことですか?」
なんで、同じクラスのムッツリーニこと土屋康太と結婚しなきゃいけないわけ?と、言うかそう言うのは子供が物心ついた時ぐらいに話せよ、そしたら色々理解しててこんなことにはならなかったんだよ、馬鹿野郎。

「そのまんまの意味だ」
えへん、と偉そうに言う父上に殺意が沸くんですが…!まぁ、黙ったままの土屋君にも殺意と言うなのもやもやとした何かが沸騰したお湯のように沸くわけで、今までとっても苦労していい子ぶっていた私が壊れそうな感じがして、抑えようと思ったけれど無理なわけで。


「ふっざけんじゃねぇえええええ!!!!!」

後悔はすぐにした。けれど、時間を巻き戻せることなんてゼロに近いわけで私、この日許婚がいることをしりました。そして、その許婚はクラスメイトで本心がばれてしまいました。

こってりと親に怒られたのは言うまでもない。



2010 02 15

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