・男主
・104期主席
・主が加わる為、順位変動
・ミカサが次席クリスタが11番









「そんなの家畜同然じゃないか!」


エレンの主張は正しいと思う。
このままの現状が続けば、人類は必ず絶滅する。
それが何年何十年後になるかは分からない。
だけど、壁はいつか崩壊するし、人間は増える一方だ。

ウォール・マリアだって100年間は崩壊しなかった。
壁が壊されいざ緊急事態になってみると、人間というものは非情なものだった。

豪快な父と優しい母。まだ幼い弟と妹。

幸せに暮していた我が家にも城壁崩壊の知らせは遅いながらも伝わってきた。

父は俺達を庇い瓦礫の下敷きに。
母はガラスの破片で両目が潰れ、俺に幼い弟と妹を託し巨人の胃の中へと消えていった。

二人を連れ必死になって逃げた。気がつけば、周りは難民で溢れ返っていた。




12歳になり、弟達を昔なじみの夫婦に託し、俺は訓練兵となった。

中でもエレンとは気が合い、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
シガンシナ地区出身らしく、巨人に対しての思いは人一倍熱い男だった。


「はぁ?どうやったら上手く削げるか?」

「おぉ。お前一番上手いだろ?削ぐの。」

「あぁ…まぁ…」

「俺、ミカサより浅くなっちまって…なんかコツとかねぇの?」

「コツねぇ…刃の角度かな?」

「角度?」

「おぉ。正確には切り込む時の刃の角度だよ。もっと鋭角にして…」




ミカサもジャンもライナーもベルトルトも…104期のみんなと馬鹿やって、お互いに高めあった。






「今期のトップは苗字か。歴代まれに見る実力者だな。」

「あぁ。あいつの立体起動の操作、戦闘における感性、リーダシップ、座学。どれも素晴らしい成績だ」

104期の教官達は俺を評価しずぎだけど、仲間が支えてくれたからこそだと思う。

俺は良い友を得た。





解散式の日。
ささやかながら打ち上げをしていた104期。
エレンは言った。

人類は壁から出るべきだ。
巨人を一匹残らず駆逐する。

その主張は104期全員の良かれ悪かれ影響を与えたのだ。


だがあえて俺は言う。


「そうかな?」


エレンの主張の後の沈黙の中、最初に言葉を発した。


「名前?」


「エレン。お前の主張は間違っていないよ」


そうだ。ローゼが崩壊したらシーナしか残らない。
その先には壁は無いのだ。俺は巨人も怖いが内地も怖い。

「でもな、みんながみんなお前みたいに強いわけじゃない。」

エレンはわけが分からないと言う顔をした。
確かに順位や実力で言えば俺の方が上だ。
だけど、エレンは『心』が強い。
折れない絶対的な信念。

「ここにいるメンバーは一人一人に理由がある。それぞれがそれぞれ、目的をもってここにいる。」

俺はエレンの瞳をまっすぐに捕らえた。

「誰だっていつかは死ぬ。だけどな、安らかに死にたいって思う奴が大半なんだ。
それに俺には守らなきゃいけない奴らがいる。
目の前で死んだ両親に誓ったんだ。弟達を立派に成長させるってな」

静まり返った中俺の淡々とした声だけがやたらと大きく聞こえる。

「他人任せなのは悪いと思う。


だけど俺は

人類の栄光ある未来よりも

手の届く奴を精一杯守って生きたい。




身近な人間を守れなくて

人類に栄光ある未来なんかこねぇよ。」








『ご馳走様』と言って席を立った。

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