ラスト・ミッション

【人物設定】
・3年男子:ミツヤ(イケメン、バカ、時雨の兄)
・3年女子:ヨリコ(性悪女、Sより)
・2年男子:時雨 (中二病、バカ、ミツヤの弟)
・2年男子:燕  (自由人、ドライ)
・1年女子:枝豆 (Mより)
・1年女子:息吹 (真面目すぎて若干電波)

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【本編】
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▼裏方:息吹、枝豆、ヨリコ
◎部室にて、洋楽を流し缶コーヒーに口を運びながら幕開け。



時雨「ふう…、爽やかな春風が頬を撫で、スカイブルーの空を背景に淡い桃色の桜が悠々と咲き誇る…。そんな中でうららかな木漏れ日を浴びる俺って最高にイケメ」



◎台詞の途中でミツヤ登場



ミツヤ「イタメンの間違いだろ?」

時雨 「うぐのわぁぁああ!!?」

ミツヤ「……………。」

時雨 「に、兄ちゃん…。」

ミツヤ「お前部室で何やってんだ?」

時雨 「え゛…な、何って?もちろんいつも通りクールに日常を過ごしてただけだけど?」

ミツヤ「クール?てかそれ俺のiPodじゃね?」

時雨 「あ、えと」

ミツヤ「まぁいいや。何聞いてんだ?あ、もしかしてお前がこの前散々バカにしてたおにゃんこの――…洋楽?」

時雨 「いやそのこれは英語の勉」

ミツヤ「しかもよく見りゃこれ缶コーヒーじゃねーか!お前頑張ってコーヒー牛乳が限界だろバーカ。」

時雨 「へっ、兄ちゃんは知らねーかもしんねーけど俺コーヒー克服したんたぜ〜」

ミツヤ「その割には中たくさん残ってるけど?」

時雨 「今開けたばっかなの!つーかーノックもナシに部屋に入るとかいくら兄だからって非常識なんですけどープライバシーを尊重してくれますー?」

ミツヤ「ここは部室ですー。しかもお前…」

燕  「まごうことなき中二病でしたね。」



◎ここで燕が机の下から登場。



ミツヤ「机の下に潜んでいやがったとはやるな燕。」

燕  「なんか面白そうな予感がしてさ…案の定でした。」

時雨 「それを実行に移せるお前の行動力に驚きだよ。つか!てめーいつからここに…?」

燕  「お前が窓を開けて妙な鼻歌を歌い出した時からかな。」

時雨 「うそん!?え、じゃぁ…」

燕  「一部始終見てましたー。お前ヤバいな。(若干ひきぎみ)」

時雨 「フッ、俺は大人の男だからな。この小春日和の素晴らしき日に思わず心踊っちまったのさ。」

ミツヤ「小春日和は冬の季語だぞ」

時雨 「ぐっ…に、兄ちゃんこそ人のアラばっかつつきやがって、そんなんでかっこ良いと思ってんのか!?」

ミツヤ「かっこいいよ?俺イケメンだもん。」

時雨 「絶対関係ねぇええ!!」

燕  「うるさい、中二病」

時雨 「中二病!? 俺の優雅な昼下がりを今、中二病で片付けなかったか!!?」

燕  「ほざきやがれ、あれは完全に中二病だっつの。」

時雨 「は!?どこがどう中二病なんだよ!完全にハードボイルドなお兄さんだっただろうが!」

燕  「洋楽を聞きはじめる、美味くもないコーヒーをのみはじめる、プライバシーの尊重を求める。中二病の典型パターンですよね?」

ミツヤ「しかもなんだっけ?春風が頬を撫でる?スカイブルー?悠々と咲き誇る桜?」

燕  「おまけに最後自画自賛してたね。」

ミツヤ「うわイタい…。お兄ちゃんとして恥ずかしいよ。お兄ちゃんお前をそんな子に育てた覚えはありません!」

時雨 「ちっげーよバーカちげーよ!これは中二病な男子を演じる練習だったんだよ!俺演劇部だし!つーか部長だし!」

ミツヤ「はぁ…。」



◎おもむろにスクールバックから辞書を取り出す。



時雨 「え、何それ?」

ミツヤ「馬鹿につける薬はないからな、殴れば少しは良くなるかと…」

時雨 「ならないー!ならないよ絶対!?脳細胞死滅するよ!」

燕  「じゃぁカウントダウン入りまーす。5ー4ー」

時雨 「てめコラ燕!相棒を見殺しにする気か!?」

燕  「中2に友達はいない。」

時雨 「高2だーっ!」

燕  「3ー2ー」

時雨 「きゃー!誰か助けてー!!」

ヨリコ「お待ちなさい。」

時雨 「このビューティフルボイスはチャーミングヨリコ先輩!!」



◎ヨリコ登場
▼裏方:息吹、枝豆



ミツヤ「…なんだよヨリコ、これはお兄ちゃんの役目だ、邪魔すんな。」

ヨリコ「私がやる。」

ミツヤ「えー」

時雨 「えー!?」

ヨリコ「可愛い後輩の為だから。」

ミツヤ「自分の為だろ。」

ヨリコ「そうだけど?」

ミツヤ「俺は純粋に時雨の頭をなんとかしようって思ってんだ!」

ヨリコ「結果は同じでしょ。さぁその辞書を私に渡しなさい。」

燕  「ヨリコ先輩今のシャレですか?」



♪ゴッ!
◎燕倒れる。



ヨリコ「何このゴミ。邪魔。」



◎燕を袖まで転がし燕退場
▼裏方:息吹、枝豆、燕



時雨 「さ、寒気が…」

ミツヤ「お前マジ性悪女だな。女ってこえー!」

ヨリコ「人聞きの悪いこと言わないでちょうだい。」

息吹 「喧嘩はやめなさーい!」

枝豆 「そうです!やるなら私を!!」



◎息吹・枝豆登場
▼裏方:燕



ヨリコ「3ー2ー」

時雨 「ひぃいい!!!」

枝&息「「なんで無視するんですか!」」

枝豆 「やるなら私を!さぁさぁ、やっちゃって下さいヨリコ先輩!やって!!」

ヨリコ「…………。」



◎ハリセンで枝豆すぱーん!



枝豆 「ナイススイングですヨリコ先輩…。」

息吹 「やめてくださーい!」

ヨリコ「ウザい。」

息吹 「ガーンっ…でもめげないゾ!!」

時雨 「兄ちゃん、コイツの方がイタくね?」

ミツヤ「いい勝負だな。」

枝豆 「ミツヤ先輩、ヨリコ先輩こんにちは!」

息吹 「こんにちは!」

ヨリコ「ん。」

ミツヤ「おう!これで6人全員そろったな。各学年二人ずつとかどんだけアットホームな部活なんだ…。」

枝豆 「ところでミツヤ先輩、ヨリコ先輩一体何しに?」

ヨリコ「あら、私がいたら何か不都合でも?」

枝豆 「滅相もないですギャーッ!!」



◎ハリセンすぱーん!



ヨリコ「理由なんか暇だからに決まってるでしょ。この私が遊びにきてあげたのよ、感謝しなさい愚民共。」

枝豆 「しびれる〜!」

息吹 「枝豆ちゃん、その発言は問題だよ。公序良俗に反するよ。」

ミツヤ「よーし、じゃぁ何する?」

息吹 「演技じゃないんですか!?」

ヨリコ「ぶちのめすわよ。」

息吹 「なんでですか!?」

時雨 「へっへーん!もうバッチリ考えてあるぜ!それは…」



♪ドラムスクロール



時雨 「名付けて、演劇戦隊ごっこ!!」



♪ぱんぱかぱーん!



ミ&ヨ&枝&息「「「「……………」」」」



◎沈黙

枝豆 「うわダサい…。」

ヨリコ「ぶちのめすしかないわね。」

時雨 「ちょっ!?いやいや、これマジっスから!ヒーローもの程心をくすぐるものはない!キャッチングハートっすよ!」

ミツヤ「俺の心がブロークンハートだよ…。」

時雨 「ヒーローものかっこいいじゃん♪兄ちゃんも好きだろ?演劇部だし調度いい!」

ミツヤ「それエチュードって事だろ?どーせぐだって終わりだよ。」



◎一時停止/薄暗く



燕「説明しよう!エチュードとは即興で劇を作って演じる事である!」



◎一時停止終了



ヨリコ「お話にならないわね。」

時雨 「そして必殺技は…エターナルフォースブリザードッ!!」

ヨリコ「無視するなんてあんた何様?」



◎辞書とハリセンの両刀使いで時雨と枝豆を撲殺



時雨 「うぐはぁ!」

枝豆 「なんで私まで!」

ヨリコ「…私帰るわ。」

時雨 「えぇ!?そんなに演劇戦隊嫌なんスか!?」

ミツヤ「じゃーヨリコ一緒にあのラーメン屋行こうぜ!」

ヨリコ「いいわね。」

時雨 「兄ちゃんも帰るの!?」

ミツヤ「あそこのラーメンは激ウマだからな!」



◎二人は帰る支度を始める。



時雨 「…………兄…ちゃん…?」

ミツヤ「ほい。」



◎ミツヤ、スクバから紙の束を出し時雨に渡す



時雨 「は!?え…ちょ、待てよ!なんで帰るんだ!?」

ミツヤ「そんなにお兄ちゃんといたいのかー?ブラコンなんだから〜」

時雨 「ちげーよ!」

ミツヤ「ラスト・ミッションだ。今じゃなきゃ意味がねぇ。」

時雨 「え?」

ミツヤ「久々にミッションゲーム開始だ。ミッションは俺達3年からだすぜ。」

時雨 「み、ミッションゲーム?なんでまた…」



◎時雨の台詞は無視でミツヤは袖に転がった燕の足(ゲーム中)を引っ張り舞台の中へ



ミツヤ「ほれ燕!お前も頑張れよ!」

燕  「ちょっと今イイトコなんすけどー」

ミツヤ「前から思ってたけどお前自由すぎるだろ!」

燕  「はいはい、全くこいつらは兄弟そろってKYなんだから…」

ミツヤ「KYなのはお前だァア!ったく可愛くねー後輩だな。」

ヨリコ「ちょっとミツヤ、早くしなさいよ。先帰るわよ。」

ミツヤ「あ、ちょ、待って!くっそぅ燕のせいで…」

燕  「えーとんだ言いがかりなんスけど。」

ミツヤ「おい時雨!」

時雨 「八つ当たり!?」

ミツヤ「期限は明日の放課後。時雨は俺の弟なんだから、お兄ちゃんのことがっかりさせんじゃねーぞ。行くぞヨリコー!」

ヨリコ「待たせたのはあんたでしょ。」

ミツヤ「いやあれは燕がKYだからさ〜」



◎ミツヤ・ヨリコしゃべりながら退場
▼裏方:ヨリコ、ミツヤ



時雨「マジわけわかんねーよ、馬鹿兄貴…。」

息吹「ところで先輩、ミッションゲームって何ですか?」

燕 「無理難題を押し付けて皆で解決するゲーム。まぁあまりにも暇な時とかに皆でやる暇潰しだな。トランプ作ったり反省文みんなで考えたり、内容は様々だ。」

息吹「わかりました! つまり私達は試されているんですね!!」

時雨「ちげーよポジティブ娘! ただの遊びだっつの!! …つーか今更ながらそんなんで良いのか演劇部…」

枝豆「それでミッションはなんて?」

時雨「それが…、これなんだよ。」



◎紙の束の一枚にはデカデカと5分の文字



枝豆「5分?」

息吹「5分で何を?」

時雨「マジ意味わかんねーよな。用件書けってんだ!」

燕 「その紙の束には他に何も書いてないんだよな?」

時雨「ああ。」

燕 「なら、それ自体がミッションって事だ。」

時雨「どゆこと?」

燕 「その紙で5分作るって事だよ。」

枝豆「5分間でいかに多くの鶴を折れるかって事ですね!」

燕 「違うわアホ。」

息吹「5分分…イチから台本を作って演じろって事ですか?」

燕 「そう。」

時雨「んな無茶なー!?」

燕 「それで補えって事だろ。」

時雨「何を?」

燕 「お前本当バカ。」

時雨「なぁっ!?」

燕 「とにかく時間がない、明日までなら急いで台本作らないとな。」

時雨「…なんか燕かっこいいんですけどムカつく。俺部長なのにー」

燕 「お前は中二病だから。」

時雨「だからちげーっつってんだろ!」

枝豆「アハハ!あれですよね、エターナルフォースブリザード!」

時雨「お願い忘れて!?過去の過ちだから!黒歴史だから!」

息吹「元気だしてください先輩…!」

時雨「とほほ…俺の方がクールだぜ打倒兄ちゃんバカヤローコノヤロー計画が…。」

燕 「そんなものを計画するとは無謀な。」

枝豆「全部裏目に出ましたね!」

時雨「うるせーっ!!」

息吹「台本はどうします?」

時雨「やっぱアレっしょ!演劇戦隊!!俺がレッド!燕がブルー!枝豆がグリーン!息吹がオリーブ!」

息吹「若干色被ってます!」

時雨「鬨を上げよ、演劇戦隊!!」

燕&枝&息「「「エターナルフォースブリザード!!」」」

時雨「それやめろぉお!!!」



◎暗転
◎明転↓演劇戦隊ヒーローショーSTART
♪ヒーローショーっぽい音楽があるといい



時雨「我等、泣く子も黙る演劇戦隊!」

枝豆「今日も世にはびこる悪を倒すため!」

燕 「週3くらいで頑張ってます。」

時雨「隊長レッド!」

燕 「参謀ブルー。」

枝豆「ビューティーキューティーグリーン!」

(間)

時雨「はぁ…今日も暇…じゃない、平和だなぁ。」

枝豆「敵現れないかな。」

燕 「敵を望むヒーローってどうなんだ。」

時雨「だって暇じゃん。」

燕 「なぁ、俺今日バイトあるんだけど帰っていい?」

時雨「はあ!?ダメに決まってんだろ!?」

枝豆「しかし、今時ヒーローってのはなぁ〜。」

燕 「それ禁句。」

枝豆「あーもー本当に暇。……早く私を踏んでくれる人、来ないかな…。」

時雨「はいそこ! 話の流れを無視して一人、夢見る少女みたいに侵略者を待たない!!」

燕 「じゃ、お疲れ」

時雨「あ、てめ…」

燕 「俺を引き留めても無駄だ。お前が俺に触れると世界中の核爆弾がお前をめがけて…」

時雨「それじゃ日本が消えるよ!」

燕 「じゃあ世界中の狂犬が…」

時雨「でぇーい、だまらっしゃい!俺達は神に選ばれた人間なんだよ!この世にはびこる悪を倒すのが俺達の宿命…、シャキーン!」(決めポーズ)

枝豆「うわ神とか…」

燕 「イタいな。」

時雨「ビームとか出んだぞ!ビームすげーんだぞ!」

燕 「ああ…あのこじんまりとした貧相なビームの事か?」

枝豆「ビーム出すとき小さくカチッて音出るもんね!」

燕 「あんなんで倒せるんなら、世の科学者も努力するっつの」

時雨「あ、あんなもんだと!?」



◎燕、急に真面目声で



燕 「…レッド、お前本当に奴らに勝てると思ってんのか?」

時雨「な、何を…!?」

燕 「例えばこうだ。仮にUMAがこの地球を侵略したとして、俺らがそれと戦う。だがこちらが3人なのに対し、敵は未知数。おまけにそれが他の星からの侵略だとするならば、これは星と星の戦争だ。そんなものを俺達3人で止められるか?答えはノーだ。もしかしたら相手は一兆人かもしれない。もしかしたら向こうの文明の方が高度に発達しているかもしれない。もしかしたら未知のウイルス攻撃でこの星は既に侵略されているのかもしれない…ホラ、考え出したら面倒臭くなってくる。世界はいつも俺らの知らないところで動いてるんだ、こんな面倒臭いことをするくらいなら、いっそ最初から放り出して昼寝でもしれいればい…」(カンペ見ながら)

時雨「だぁあああ!! うぜぇえええええ!しかもなんだそのカンペ!」

燕 「こんなこともあろうかと事前に考えておいた。」

時雨「つーか長ったらしくそれらしいこと言いやがって、お前ただ帰りたいだけだろ!!?」

燕 「なんだ、今気付いたのか。てゆーかそんなもんは警察に任せればいいんだよ。一般市民万歳!」

時雨「うるせー!ヒーローはちびっこの夢なんだぞ!」

息吹「そうよ!ヒーローに誇りがないのならやめてしまいなさい!!」



◎息吹登場



時雨「ん…?」

息吹「私はオリーブ!そこのグリーン、あんた私と色被るから脱退しなさい!」

枝豆「はぁ?意味わかんないんだけど。」

燕 「お前性懲りもなく隊員募集なんかしてたのか?」

時雨「だから俺達は神に選ばれた存在なの!ヒーローとしての宿命が俺達を引き合わせたんだよ!」

燕 「まだ言うか。」

息吹「生きとし生ける全ての生命に取り付き地球を乗っ取ろうとする宇宙からやって来たUMAから地球を守るべく立ち上がった自警団演劇戦隊に相応しいのはこの私よ。」



◎一時停止/薄暗く



ミツヤ「説明口調なのは大人の理由です、察しよう!」



◎一時停止終了



枝豆「つまり、勝負って事?」

息吹「そう!」

枝豆「いいわ、うけてあげる!」

時雨「それでは!第一回、演劇戦隊に相応しいのはどっち?緑決定戦の開幕だー!パフパフパフ!」

燕 「わー(棒読み)」

時雨「ナビゲートはこの俺、隊長レッドと参謀ブルーにより行います!ブルー、この戦いの決着はどう思われます?」

燕 「そうですね、やはり演劇戦隊ビームが勝敗の鍵を握るのではないでしょうか。ってバカかお前。」

時雨「むむーなるほど!では早速競技種目に移りたいと思います。種目は…」

枝豆「オリーブ、でしたっけ?あんな黒みがかった渋い色今時の子にはウケないのよ。」

息吹「いーえ!今はマセガキが多いから今はこーゆー大人の色がウケるのよ。そもそもグリーンなんて在り来りな色はインパクトが弱いからすぐに忘れられてしまうわ。」

枝豆「自分がダサい色だからって負け惜しみはよし子ちゃん。あんたみたいな凡人ヒーローに相応しくないのよオバサン。」

息吹「あーら、あんたこそ大してスタイルもよくないくせによくヒーローだなんて言えるわね。ちびっ子の夢ぶち壊しよ。」

枝豆「はぁ?あんたに言われたくないんだけど。」

息吹「あんた偉そうなのよ。年齢イコール彼氏いない歴のくせに。」

枝豆「あんただっていないでしょブス!」

息吹「おほほ、あーやだやだ。私みたいに美しい女性は高嶺の花…。そう簡単には手を出せないのよ。あなたと同じにしないで下さる?」

枝豆「うわ、ナルシストとかキモ。鏡よく見なさいよ。」

息吹「はぁ?」

時雨「こんなネチネチした女の戦いやだよー!!」

燕 「これじゃぁ夢も何もないな。」

時雨「種目は隊長であるレッドが決めるっつってんだろ!二人ともクビにするぞ!」

枝&息「「職権乱用ー」」

時雨「うっせー!いいから種目はこれ、スピードだ!!」

枝豆「スピードぉ?」

息吹「見栄え悪くない?」



◎時雨からトランプを受け取る。



時雨「あの罵り合いよりは100倍マシだから!つか、スピードはスピーディーな手の動き、『すばやさ』に次に何を出すかという策略、『知能』、それを実行に移す『行動力』、全てが必要とされる…――って聞けよ!」



◎時雨の台詞は無視して腕相撲の用意



枝豆「なんだかんだで勝つのは力!!腕相撲で勝負よ。」

息吹「望むところ!勝った方が正義ってことね!」

時雨「ヒーローとしてあるまじき発言が今聞こえたような気がするんだけど!?」

燕 「Are you ready?」

枝&息「Year!」

燕 「Go!」



◎息吹が時折奇声を発しながら腕相撲→枝豆が勝利
◎その間に燕退場



枝豆「やったー!」

息吹「くうっ…」

枝豆「でも、危なかったわ。なかなかやるわね、オリーブ。」

息吹「あんたこそ…」



◎二人は立ち上がる



枝豆「二人で頑張りましょう。」

息吹「うん…!あんな酷い事言ってごめんね?」

枝豆「私こそ!」



◎微笑みながら握手



時雨「……こうして、俺は今日も地球の平和を守ったのだった―――。」



◎暗転
▼裏方:燕
◎明転、舞台には時雨、枝豆、息吹+ヨリコとミツヤ



ミツヤ「勝手に喧嘩して仲直りしただけだろーが!何が地球を守っただよアホか!つーか敵は!?」

枝豆 「オリーブ」

息吹 「グリーン」

ミツヤ「内部抗争!?UMA倒せよ!」

時雨 「だって俺レッドやりたかったし。」

枝豆 「私もグリーンがよかったもん。」

息吹 「私もヒーローがいい。」

時雨 「そんな訳で皆ヒーローがやりたかったみたいだからさ☆」

ミツヤ「何だそれ☆いや本当に何なんだよこのグダグダ加減!ツッコミ所満載過ぎて何処からツッこめばいいかわかんねーよ!」

時雨 「んで、どーだった!?」

ヨリコ「グダグダね。でもくだらなくて面白かった…かな?一応合格でいいんじゃない?」

ミツヤ「そーだな。マジギリギリだけど。ミッションクリアだ。」

時&枝&息「「「イェーイ!」」」

時雨 「つか、ラスト・ミッションって?」

ヨリコ「言葉通りよ。文化祭にはあまり出られない私達にとって実質この前の新入生歓迎会で引退なようなもの。あんた達に足りないものを補うための課題がラスト・ミッションだったの。」

時雨 「足りないもの?それが5分間分の台本をイチから作る事で補えるのか?」

ヨリコ「そう。」

ミツヤ「ズバリ、お前らに足りないものは土壇場のガッツとくだらねー事を一生懸命にやる真面目さだ。」

枝豆 「おぉ!なるほど!」

息吹 「確かにこのミッションで土壇場のガッツと真面目さが身につきました!」

枝豆 「流石先輩です!」

ヨリコ「当然よ。」

(間)

ヨリコ「これでやっと引退出来るわね、ミツヤ。」

ミツヤ「あぁ。よくやったなおまえら、流石俺の後輩達だ!!」



◎後輩3人の頭をなでるミツヤ



時雨「さ、サンキュ、ヨリコ先輩、兄ちゃん…!(照れながら)」



◎ヨリコとミツヤは嬉しそうに顔を見合わせる。
◎暗転
♪音楽↓エピローグ(声だけでもいい)



枝豆 「てゆーか燕先輩は?」

燕  「ここだけど。」

時雨 「てめー劇の途中でいつの間にか消えやがって何処行ってたんだよ!」

燕  「トイレ。」

息吹 「トイレ!?」

ミツヤ「今俺すっげーカッコイイ事言ったんだぞ!聞いてくれよもー!」

燕  「すんません漏れそうだったんで。もう一回言ってくれます?」(悪びれる気なし)

ミツヤ「てんめぇ表出ろ!」

燕  「嫌です花粉症なんで。」

ヨリコ「やれやれ。」



END
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