「高良ちゃん!」
「ん?何、麻知?」

ぎゅっ、ととある少女が抱き着いついるのは彼女の憧れの人物大和高良。そして抱き着いているのは柴屋麻知。
麻知は背が凄く小さく、高良は割と高い。調度頭一つ分くらいの身長差。高良からみれば麻知は小動物の様だ。

「あ、獄寺君!一緒にご飯食べない?」
「は?…どうします、十代目?」
「別にいいよ?」
「俺も意義なしっ!」
「よかった!高良ちゃんっ行こう?」
「あぁ」

高良はクールで男前で、そしてとても美人。容姿だけでなく彼女は人間としての「魅力」を持っているせいかほっとけば人が集まる。その中でも特に引っ付いているのが童顔で愛くるしいチビ、柴屋麻知だったのだ。

「高良ちゃん。美味しい?」
「うん。美味しいよ。」
「やったぁ!!ツナ君もいる??」
「え、いいよいいよ!」
「そんな事言わずにっ!ほら、あーん」

高良は麻知が好きだった。天然で、何より小動物のように可愛い。
確かに嫌だと思う事がないと言えば嘘になる。疎ましく思う事がないと言えば嘘になる。

だがそれは「人間」だもの。一つや二つ嫌な所があって当然。

「高良見ろ!」
「おっ爆弾お握りじゃん!いーなー」
「羨ましかろう、欲しいか?」
「寄越せ」
「誰がやるか!」
「紛らわしい言い方するな。このタコヘッド」
「芝生と同じ事言うんじゃねぇ!!」
「きゃっ」
「!…大丈夫、麻知?」
「柴屋?」
「だ、大丈…夫……ヒック」
「泣いてるじゃん。嘘つくな。………獄寺、保健室連れてってやれ」
「はぁ?んで俺が。」
「かわりに爆弾お握りは私が食べておいてやろう」
「てめぇどさくさに紛れて…!」
「獄寺君、大丈夫だから!…―ック」
「……はぁ。仕方ねぇな。高良、覚えとけよ!」
「もう忘れた」

高良は麻知が好きだった。

明るくていつも笑顔でかわいらしい麻知が、本当に好きだった。麻知の嫌な所も、彼女は受け入れられた。
理由もなく「この人は嫌いだ。」と思う人はいるだろう。だからと言ってそれを露骨に表し、ましてや嫌がらせをするなど言語道断。
それがあるべき人の姿であり、大袈裟に言えば世界の秩序、マナーだ。高良はその「考え方」をできる数少ない中の一人。



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