honeybee 182
そして梅雨が明け中間テストが瞬く間に終了し…――

本日、7月第一週目の休日は待ちに待った、関東大会である。


桃はレギュラージャージではないジャージを羽織り、『青学●必勝』とかかれた酷くダサいハチマキを巻き、それはそれは重い校旗を掲げていた。
都大会会場にはテニス部はもちろん、時雨と諭吉もいる。


「よっしゃーーっ!!1年はこのハチマキをつけて応援だ!」
「えっ…」
「あっ……」
「マジ…?」

気合いバッチリの桃は例のダサハチマキを一年に配った。言うまでもなく渋い顔をしている。


「氷帝応援団は200人以上でぐるっと囲んで応援して来るからな、負けない様応援するぞ!」
「「「は、はいっ!!!!」」」
「気合い入ってるなぁ。」


関東大会の初戦は、昨年青学が都大会決勝で負けた学校らしく、強敵。さらに負けた方は全国大会に行けないというバッドステータス付きである。
しかも、氷帝といえば例のストリートテニス場で桃とリョーマが勇敢にもお山の大将跡部に喧嘩を吹っかけた学校だ。


「氷帝かー…」
「また知り合いいるの?」
「いやいや。でもBGの方でいろいろ絡んでそう。跡部なんて日本屈指の財閥だからね。」
「へぇ…。まぁ、来たらも追い払うから。特に跡部ってヤツは。ナルシストだし。」
「ボンボンだからね。」


と、まぁそんなくだらない話をすること約数分…。


「そーいや遅いな大石っ」
「子供が生まれそうな妊婦さんを助けてるんじゃない?」
「阿保か!越前じゃないんだしあるわけないだろ…」
「だが珍しいな、あの大石が遅刻なんて。あと15分で選手登録しないとアウトだ。」


未だ、大石が現れない。スミレは至極心配そうな顔をしていた。





Purururururu…♪

ピッ


「おおっーーっ大石か!!何をやっとるんじゃ…ええ〜〜〜〜っ!?」


そして現在、テニス部顧問であるスミレが大石に電話をしている。

「子供が生まれそうな妊婦さんを助けて近くの病院にいるっ!?」
「ゔ…」
「流石大石、ホントだろうね。」
「うん。」
「事情はわかったが間に合うのかい?」

「………ん?」


桃と英二がニヤリと笑っていた。時雨が不審に思った刹那…


「わぁぁああーーっ何するんですかっ!?」
「桃押さえてーっ」
「おっすー!」


カツオの悲鳴がこだまする。
水泳キャップとマジックを使い、偽大石が完成した。


「ダ、ダメ……?大石。」
「ぷぷっ…ちょっと無理っスよ!!」
「…遊ぶな!」
「ひぃっ」
「「ごめんなさいッ!!!!」」


爆笑の渦の中、時雨の怒鳴り声が響く。


「……時雨って最強かも。」
「せやな。なかなかおらへんであんな無敵人物。」

「なぁ時雨、選手登録まであと10分くらいあるよな?」
「らしーね。」
「俺が代わりに病院行ってくる!今からいけばまだ間に合うはずだ!!」
「…解った。頼んだよ桃先輩!!」
「おうっ任せろ!!」


桃は素晴らしい早さで走って行った。



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